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散歩の記録
日時:2023年8月24日(木)
天候:晴れ
行程:
7:10 駒場野公園
7:15 - 7:25 駒場野公園
7:30 駒場通り
7:45 東大駒場キャンパス
8:15 駒場バス停
ウォーキングマップ
フォトアルバム
駒場野公園
今日は、目黒区と世田谷区の境界付近にある駒場の周辺を散歩した。渋谷と淡島を結ぶバス通りの「駒場」バス停が出発点。駒場野公園を抜けて、井の頭線の駒場東大駅まで約15分歩く。
この一帯は、かつて松林がしげる広い原野で、「駒場野」と呼ばれていた。明治になると、農業の近代化を図るため、この広い原野を利用して「駒場農学校」が開校し、近代農業の総合的教育・研究の場となった。明治14年、ドイツ人ケルネル氏が農芸化学の教師として着任し、土壌や肥料の研究を行った。公園内に今も残る水田はこの実験を行った場所で、農学発祥の地「ケルネル田んぼ」と呼ばれている。筑波大学付属駒場中・高校の生徒たちによって今でも稲作が行われているという。
碑文より
この水田は、明治11年、ここ駒場野に開校した農学校の農場の一部でわが国最初の試験田、実習田として、近代日本の発展を支える淵源の一をなした。....本校は、東京農業教育専門学校附属中学校として、昭和22年、開校以来右の歴史の流れを継いで、この水田を教育の場に活用する栄光に恵まれ、耕作を続けて、本年創立40周年を迎えた。(以下略)
駒場通り
駒場野公園を出て、井の頭線の踏切を渡ると、閑静な高級住宅街に出る。「駒場通り」と呼ばれる一角だ。道路の左右には、数億円はするかという豪勢な邸宅が並んでいる。こんなところに住んでいるのはどんなお金持ちなのだろうか、羨ましい限り。
この通り一帯の見どころは、日本民藝館、日本近代文学館、駒場公園、旧前田家本邸などだが、あいにく早朝のため、まだ閉館中だった。もっと涼しい季節になったら再訪したい。
東大駒場キャンパス
この駒場通りの中間付近に、東大駒場キャンパスに入る裏門がある。うっかりすると、気が付かずに通り過ぎてしまいそうな小さくて目立たない門だ。関係者以外は入構禁止との表示がある。私は「東大駒場友の会」会員なので堂々と入れる。とはいえ、ご近所の住民たちは、犬を連れて構内を自由に歩き回っていた。
門を入ると、鬱蒼とした樹木に包まれて爽やかな風が香る気持ちのいい散歩道が続く。なかでも、2kmはあろうかという、まっすぐ伸びる銀杏並木が見事。キャンパスの中をほぼ縦断している。
伝説の900番教室
東大正門を入って左手に歩いていくと、900番教室の建物がある。昭和13年に講堂として建てられた。今でも講演会場として使われているが、普段は教養課程の大講義が行われている。私が在籍していた1960年代後半は、法学部の衞藤瀋吉などの人気教授が大勢の学生を集めて毎週講義を行なっていた。私も、この新進気鋭の国際政治学者の講義を聞こうと、満員の大教室に通ったのを覚えている。
900番教室といえば、1969年5月13日、作家の三島由紀夫が東大全共闘と討論を行ったことで話題になったところだ。私は当時駒場の2年生だったが、全共闘とも三島由紀夫とも思想が合わず、この討論会には出席しなかった。三島が自決する1年前のことだった。
https://www.businessinsider.jp/post-209905
900番教室の横には、旧一高同窓会館洋館がある。昭和12年の築造だ。現在はフレンチレストラン「ルヴェンソール駒場」が入っている。ちょっとお高いが、キャンパスの中で高級フレンチを味わうのもまた格別かもしれない。いつかは入ってみたいと思っている。
レストランの裏に回り込むと、階段があり、そこを降りると細い小道があり、キャンパスの裏門に出ることができる。駒場東大前駅西口はすぐそこだ。ここを通って、初めに来た駒場バス停まで歩いた。約1時間の散歩だった。
本当は、このまま駒場図書館に入って仕事をする予定だったのだが、まだ開館まで30分以上もあり、これ以上時間を潰せる場所もなかったので、ひとまずバスに乗って帰ることにした。また出直すことにしようかな。ともあれ、連日の猛暑の中、深いキャンパスの緑のおかげで、爽やかな早朝の散策を楽しむことができたので、満足だ。