EPUBファイルをPDFファイルに変換する方法
EPUB形式のファイルは、美しいフォントをもち、ルビをふることなどができますが、このままではEvernoteやOneNoteに読み込むことはできません。そのために、これをPDFやRTF形式のファイルに変換して、美しいフォントなどをそのまま残した状態でEvernoteやOneNoteに読み込むことにします。
EPUB→PDF変換アプリ Calibreの利用
EPUBをPDFやRTF(リッチテキストファイル)あるいはテキストファイルに変換するためのアプリはいろいろありますが、ここではもっとも使いやすい無料のアプリとして、Calibreを使うことにします。CalibreはWindowsでもMacでも使えます。Calibreは次のサイトからダウンロードできます。
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CalibreをWindowsにインストールし、起動すると、次のような画面が表示されます。
PDFに変換したいEPUBファイルを用意します。ここでは、Book☆Walkerからダウンロードした夏目漱石の『こころ』のEPUBファイルをPCに保存しました。Calibreのメニューからアイコンをクリックし、EPUBファイルを指定すると、Calibreの画面にこのファイルが読み込まれます。
そこで、次に上のメニューから本を変換アイコン をクリックします。
すると、出力形式を指定する画面になりますので、右上の「出力フォーマット」を開き、PDFを選択します。
これで、OK ボタンを押せば、自動的にEPUBファイルをPDFファイルに変換してくれます。しばらくして、「所持フォーマット」にEPUBに加えてPDFという表示が出たら、これをクリックしてPDFファイルを見たり、PC内の好きな場所に保存することができます。
PDF形式の『こころ』をEvernoteとOneNoteに挿入する
そこで、いよいよ、PDFになった『こころ』をEvernoteとOneNoteに挿入してみましょう。
Evernoteを起動し、「電子書籍」ノートブックを開きます。「新規ノート」を作成し、タイトルを「夏目漱石「こころ」」とします。そして、デスクトップに保存しておいた「夏目漱石「こころ」」のPDFファイルを新規ノート画面にドラッグします。
すると、Evernoteの場合、わずか数秒で240ページの「こころ」全文を挿入することができました。
OneNoteへのPDFファイル挿入も、これと似ています。OneNoteに作成してある「電子書籍スクラップ」ノートブックの中の「青空文庫」セクションを開き、「新規ページ」を作成します。タイトルを「夏目漱石「こころ」」として、デスクトップに保存してある「夏目漱石「こころ」」のPDFファイルを空白ページにドラッグします。すると、下のようなダイアログ画面が表示されますので、
「印刷イメージとして挿入」を選択します。すると、PDFファイルを画像に変換して挿入します。Evernoteとは違って、この変換作業には非常に時間がかかります。Evernoteの場合には、おそらくPDFがそのままの形で取り込めるのに対し、OneNoteにはそのような機能がないようです。これは、挿入後の文書における検索能力の差となってあらわれます。
実際、取り込んだPDF文書に「文字検索」をかけてみたところ、Evernoteでは「先生」などの文字検索で500件近い単語がヒットしたのに対し、OneNoteでは1件もヒットしませんでした。取り込んだPDFの検索能力という点では、圧倒的にEvernoteの勝ちといえます。
窮余の策:リッチテキスト形式で取り込む
このように、OneNoteでは、大容量のPDFファイルを取り込むのには適していません。そこで、窮余の一策として、リッチテキストファイル(RTF)形式で取り込んでみました。Calibreには、EPUBをさまざまなファイル形式に変換する機能があります。RTF形式のファイルもその一つです。
そこで、CalibreでEPUB形式の「三四郎」全文をRTF形式に変換してみました。すると、下の画像のように、ルビつきで美しいフォントの横書き文書としてペーストされました。ルビの位置がずれてしまっていますが、実用上はとくに問題はないかと思います。
実際、この形で「三四郎」という言葉を検索してみると、下の画像のように、三四郎の文字に黄色いハイライトが表示されます。つまり、リッチテキスト形式で取り込めば、OneNoteでも強力な文字検索を実行することができるということが確認できました。