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北の丸公園〜東京国立近代美術館

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散歩の記録

日時:2023年8月12日(土)
天候:晴れ
行程:
9:50 半蔵門線・九段下駅
10:00  北の丸公園
10:30〜12:30. 国立近代美術館でガウディ展鑑賞
13:00. 九段下駅

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北の丸公園

北の丸公園は、皇居外苑の一角に位置する広大な公園です。日本武道館、科学技術館、国立近代美術館などの文化施設があり、西側のお堀は「千鳥ケ淵」と呼ばれ、桜の名所として有名です。

けさは、午前10時過ぎ、半蔵門線の九段下駅で下車し、東側の清水門から北の丸公園に入りました。清水門の手前で、思いがけない美しい光景に出会いました。日本武道館をバックに、お堀の池一面が大きな蓮の花で埋め尽くされていたのです。これにはうっとり。上野の不忍池よりも美しいと感じました。

北の丸公園の蓮池。背景は武道館

清水門と蓮池のパノラマ写真

科学技術館

清水門を抜けて、北の丸公園に入ると、子供連れの姿が目につきました。夏休みで科学技術館に向かう親子のようです。科学技術館前には、子供を連れた親子がたくさん行列を作って入場を待っていました。きっと夏休みの宿題のために来ているのでしょう。何年か前、私も息子を連れて科学未来館に行ったことを懐かしく思い出しました。月日の経つのは早いものです。

東京国立近代美術館

科学技術館の前を通り抜け、しばらく先を左折すると、今日の目的地「東京国立近代美術館」に到着します。いま開催中の「ガウディとサグラダ・ファミリア展」をじっくり鑑賞しました。といっても、夏休みの週末・連休中とあって、さすがに会場には大勢の人々が詰めかけていたので、ゆったり鑑賞というわけにはいきませんでした。普段は滅多に利用しない音声ガイドを借りて、ガウディとサグラダ・ファミリアについてお勉強しました。

この展示会は、普通の美術展とは違って、絵画などをオリジナル作品を鑑賞するというのとは違い、建築家としてのガウディの生涯と建築作品、特にサグラダ・ファミリアの建設過程などについて、資料展示を通じて詳しい知識を提供するものなので、音声ガイドや写真解説が参考になりました。最後にミュージアムショップで、3300円と高価だったものの、展示会の図録を購入しました。これは、再来年あたり、スペインを旅行するときにぜひ一緒に持って行って、参考にしたいと思っています。

 

館内の展示物の一つ。サグラダ・ファミリアの完成予想図 #ガウディ展

サグラダ・ファミリアの鐘塔模型 ガウディのデザイン #ガウディ展

 

サグラダ・ファミリアの彫刻の一部。美しい幾何学模様。 #ガウディ展

将来のバルセロナ旅行のために買い求めた展覧会カタログ

ガウディとサグラダ・ファミリア展についての感想

サグラダ・ファミリア聖堂会長のメッセージより

ガウディは、イエス・キリストとの出会いにより、劇的に回心し、生涯をかけて自分の労力と熱意をこの聖堂の建設に捧げた類まれな建築家です。サグラダ・ファミリア聖堂は、私たち一人一人、そして人類全体に向けて、その美しさと創造主の美しさ、善意と計り知れない愛を表現するスピリチュアルな作品として熟視、称賛される崇高な作品です。ガウディは、まさに「神の建築家」なのです。

サン・テグジュペリが、「物事を正しく見ることができるのは心だけ」と言ったように、この展覧会と壮大なサグラダ・ファミリア聖堂への訪問が、目には見えない心で感じるもの、すなわち、天地創造の美、世界の美、神の願望の反映である人類の善良さを発見できるように私たちを導くでしょう。そして互いに助け合い、友愛の精神をもって平和な世界を築きあげていくことを願っています。

サグラダ・ファミリア聖堂 会長
バルセロナ大司教
ジュアン・ジュゼップ・オメヤ・イ・オメヤ

(「ガウディとサグラダ・ファミリア展カタログ」より)

まだ若い頃、バルセロナを訪問したことがあります。ガウディの建築もいくつか回ってみました。特に印象に残っているのは、グエル公園とサグラダ・ファミリア聖堂です。グエル公園では、洞窟みたいな奇妙な形状の回廊と、カラフルなタイルと美しい曲線デザインのベンチに強く惹かれました。サグラダ・ファミリア聖堂はまだ完成には程遠い状況で、外壁の一部しか完成していませんでしたが、そのスケールの壮大さと、ゆっくりした建築ペース、塔の形状の斬新さに驚嘆したのを覚えています。私も、建設促進のために少額ながら寄付をしました。

今回の展覧会を見終わって、改めてガウディの建築家としての天才ぶりと、その源泉について再認識しました。

個人的なお話をすると、7月初めにスイスアルプスを旅行した時、ラウターブルンネンという美しい村を訪れました。そのとき、教会を中心とする集落と背景の自然(山々や滝や森)との世にも妙なる芸術的調和を見て、これは地上の天国ではないかと思いました。そして、このような景観は、地上の芸術家たちと、目に見えない世界(天国)の芸術家が共同で創り上げた作品ではないだろうか、と途方もない想像を巡らせたのでした。さらに、思いを巡らし、天国とは決して天上の楽園などではなく、サグラダ・ファミリアのように、この地上にあって、未だ建設途上の「未完の約束の地」なのではないか、という着想を得たのでした。

ラウターブルンネンの美しい風景 (Flickrより)

今回の「ガウディとサグラダ・ファミリア」展では、この点を確かめようという気持ちもありました。その予想はまさに的中したという気がします。この文章の冒頭に引用したバルセロナ大司教のメッセージを読めば、そのことがお分かりになるだろうと思います。

ガウディは、「すべては大自然の偉大な本から生まれる」という言葉を残しています。まわりの自然を詳しく観察し、そこからインスピレーションを得ることによって、ガウディはあの斬新なデザインと様式の素晴らしい建築を生み出したのでした。それはまさに、サグラダ・ファミリア聖堂が、神の創造物である自然と生きた建築家であるガウディとの共同作品だったことを示しています。

サグラダ・ファミリアの聖堂内部 (Flickrより)

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