イギリス 2018年 ロンドン、パリ旅行 フォトエッセイ

セント・ポール大聖堂、コートールド美術館、ケンジントン宮殿、レ・ミゼラブル観劇

セント・ポール大聖堂の見学

きょうは、午前中、テムズ川北岸にあるセント・ポール大聖堂を見学した。

ロンドン最初のセント・ポール大聖堂は607年頃建設された。この木造の建造物はその後焼失、7世紀後半にかけて石造の聖堂が建て変えられたが、アングロ・サクソン年代記によると、この2代目セント・ポールは10世紀半はヴァイキングによって焼き払われた。3代目の聖堂はサクソン人によって建てられたが、1087年、再び焼失した。ウィリアム1世によってロンドン同教に任ぜられた主教モーリスによる再建は、1240年まで継続され、ここにいわゆる旧セント・ポール大聖堂 (Old St Paul’s Cathedral) が完成した。

その後、クリストファー・レンにより完全なバロック建築として再建され、1710年に完成した。再建されたセント・ポール大聖堂は大ドーム及び西側正面にある2つの塔の特徴を持ち、高さ約111m、幅約74m、奥行き約157mである。この大聖堂は、国王チャールズ2世の命により、1675年から35年の歳月をかけて建築されたバロック様式の傑作である。
(以上、Wikipediaによる)

この大聖堂は、内部が撮影禁止のため、写真がないが、壮麗な建築物だった。

コートールド美術館

このあと、あまりない時間を利用して、印象派の有名な絵画が展示さあれているという「コートールド・ギャラリー」(The Courtauld Gallery)を訪れた。London Passのおかげで無料で入場することができた。このギャラリーは、ロンドン大学附属コートールド美術研究所 (Courtauld Institute of Art) の美術館であり、サマセット・ハウス内に設けられている。こじんまりとした美術館だが、そこの収蔵されている印象派の絵画は、どれも教科書に出てくるような有名な名作ばかりだった。


(マネ作)

(ゴーギャン作)

(マネ作、パリのオルセー美術館にもある)

(ドガ作)

(部分拡大)

(ルノワール作)

ナショナル・ギャラリーやルーヴル美術館とは違って、夏休みでも観客が少ないので、ゆっくりと鑑賞できるところもいい。

ケンジントン宮殿とHigh Street Kensington通りの散策

午後は、ハイドパークの西側にある「ケンジントン宮殿」を見学した。ここは、故ダイアナ妃が亡くなる直前まで住んでいたという、美しい宮殿だ。今は、ウィリアム王子一家がその一角に住んでいるという。ちょうど、ダイアナ妃のファッションを特集した催しが開かれていた。ダイアナは、いまでもイギリス国民の間で人気が高い。

ヴィクトリア女王がつけていたというサファイアの王冠などが展示されていた。

このあたりは、High Street Kensingtonという、高級住宅街になっている。通りはショッピング街になっていて、GAPなどの専門店が並んでいる。その一角に、Whole Foods Marketという、有名な自然食の大規模食品スーパーがある(最近、Amazonに買収された)。ちょうど青山通りのNatural Houseや紀伊國屋スーパーを3倍くらい大きくした感じで、そのスケールに圧倒された。2階には、「Wasabi」という日本食のスタンドやラーメン屋が入っていた。ちょうどお昼時だ合ったので、ここで豚骨ラーメンを食べた。とても美味しかった。日本と同じ味でなつかしかった。

ついでに、このスーパーで夕食のおかずを買い出した。今夜は「レ・ミゼラブル」の観劇があるので、その前にホテルで食べておこうと思ったのだ。

COLUMN

ロンドンでは、一人暮らしが多かったこと、ホテルの部屋に冷蔵庫と電子レンジがあったこともあり、夕食はほとんど近くのスーパーで買いだしをした。そういった関係で、いろいろなスーパーを利用した。M&S、Whole Foods Market、Natural Kitchen、Selfridgfe、Tescoなど。なかでも私がいちばん気に入ったのは、M&Sだ。店の数も多いが、品揃えがよくて、電子レンジで簡単に調理できるおいしい惣菜やお弁当、ドリンク、お酒類など、必要な品はすべてここで手に入れることができた。Facebookに書き込んでくださった方の情報によると、イギリスのスーパーは階級によって違うのだとのこと。私が好んで利用したM&Sはどうやら中産階級の人向けのスーパーらしい。TescoやSelfridgeはそれよりもやや低い階級向けのような気がする。この判断は間違っているかもしれないが。Whole Foods Marketは、High Srtreet Kensingtonにあったことからすると、中産階級よりもやや高い層向けなのだろうか?まあ、日本人の観光客なら、別にそんなことを気にする必要はないのだろう。

「レ・ミゼラブル」の観劇

さて、きょうの観光のメーン・イベントは、ピカデリー・サーカスのQueen’s Theatreで催される「レ・ミゼラブル」(Les Miserables)の観劇だ。

事前にオンライン予約したおかげで、1偕(Stalls)の前列、D-7という絶好の特等席で見ることができた。始まる前にこんなにワクワクドキドキしたことは初めてだ。

始まってみると、すべてのキャストは期待を裏切らない、すばらしい歌唱と演技を見せてくれた。さすが38年の歴史を誇るロンドン・キャスト。まさにパーフェクト!

前半最後のOne Day Moreの大合唱には、思わず「うぉー!」という叫び声を発してしまった。

ミュージカルが終わったのは午後10時20分。後半も、見所満載で、そのすべてのシーンで、それぞれの俳優がパーフェクトな演技と歌唱を見せてくれた。観客は(私を含めて)そのたびに、惜しみない大きな喝采を送った。

ジャンヴァルジャンは理想に近い、神にも届くかと思うようなすばらしい歌唱を聴かせてくれた。ジャベールは法の正義を体現したような力強い歌声を披露してくれた。ファンティーヌは、I Dreamed a Dreamで、あのスーザン・ボイルを超える見事な歌声を響かせていた。幼いコゼットは確かな音程で純真で愛らしい歌声を聞かせてくれた。少年ガヴローシュは、子供なので声量は足りないものの、巧みな演技力で聴衆の人気をさらっていた。同じく人気が高かったのは、宿屋の主人、テナルディエだ。ピエロのようなコミカルな役回りを見事にこなし、どの場面でも聴衆の笑いを誘っていた。とかく退屈になりやす場面でも、見る者を飽きさせない演技力はさすが。マリウスも美青年である上に、歌唱力も抜群だった。成人してからのコゼットは、黒人女性が演じていたが、始まるまでは心配していたものの、黒人らしいはりのある美声で聴衆を魅了した。エポニーヌも、難しい役柄だが、巧みな演技とすばらしい歌唱で堪能させてくれた。On My Ownの歌唱もパーフェクト!

最後に、演技者たちが挨拶で舞台に現れたときは、会場全体が熱烈なスタンディング・オベーションを送っていた。もちろん私も立って惜しみない拍手を送ったが、感動で体が震えていた。

先日の「ハムレット」は期待外れに終わったが、今夜の「レ・ミゼラブル」は期待以上のパフォーマンスで、ロンドン滞在中の最高の一夜を過ごすことができた。

詳しくは、次の公式ウェブサイトを参照のこと。

https://www.lesmis.com/london

この日の主な出演者は、次の通り。

(Les miserables公式サイトより抜粋)

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