2024都知事選

選挙情勢をどう読むか

SNSのXがすごいことになっている!
PCを開いて、Xの(おすすめ)タイムラインをチェックする。ここのところ、これが楽しい日課になった。何しろ、Xの都知事選関連のポストがすごいことになっているのだ。一時期は、小池を応援するポストもそれなりに見られたが、今は蓮舫応援のメッセージでほぼ埋め尽くされている状態だ。それも、一つ一つのポストが充実していて、読み応えがある。有権者の熱い思いがものすごく伝わってくる。それに対し、小池応援のポストは、ほとんどが雇われサクラと思しきもので、わざとらしく中身がゼロで、ただ小池候補を不自然に持ち上げたり、蓮舫候補を貶めようとするもので、見苦しいことこの上ない。
X上の(おすすめタイムラインの)ポストを見ていると、世論の急激な変化を日々感じることができる。特に、ここ一両日、蓮舫応援のポストが急激に増えて画面を覆い尽くすまでになったことに加えて、投稿者の質が変化しているように思われる。以前は、コアな蓮舫支持者、議員、ジャーナリストなどが多かったのだが、今や、普通のネットユーザーが声を上げ始めていると感じる。メディア研究者ノエル・ノイマンの言う「沈黙の螺旋」過程において、「隠れた多数派」が周りからの制裁を感じることなく、声高に自分の意見を公にできる状況が生まれつつあつようなのだ。
これは、SNS上での「意見風土の認知」に大きな変化が生じたことが原因ではないかと思われる。選挙期間中ということもあり、マスコミ報道が意見風土の伝達媒体としての機能を果たさない中で、今やメジャーな報道媒体となったXなどのSNSが、人々の意見風土知覚手段となったことが大きい。ここで、圧倒的多数のポストが蓮舫応援になっていることが、人々に「蓮舫支持が多数派」という認知を生み、「蓮舫支持を公然と口にできる状況が生まれつつある」ということだと解釈できるのである。
いまや、小池支持に代わって蓮舫支持の世論が多数派を占めるようになり、いわばバンドワゴン(雪崩現象)的に世論が大きく転換しつつある可能性があるといえよう。
朝日新聞と日本経済新聞が選挙序盤で実施した世論調査によると、小池候補が蓮舫候補をおよそ10%ほどリードしているとの結果だが、上記のような状況を考えると、この数字が逆転していることも考えられるのである。Yahoo!のニュースによれば、両者の支持率は5.7%にまで縮小しているとのこと。これから1週間の推移が注目される。
参考文献:
エリザベス・ノエル・ノイマン著、池田謙一・安野智子訳『沈黙の螺旋理論』

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