早春のヨセミテ国立公園ツアー
息子が大学の春休みを利用してカナダのバンクーバーで4週間の英語研修を受けることになったので、私もそのサポートと旅行を兼ねて、研修4週目にバンクーバーで合流し、研修終了後に、観光目的で一緒にアメリカのサン・フランシスコに3泊し、帰国するという計画を立てました。カナダでの旅行記は、いずれ別のページで公開したいと思っていますが、とりあえず今回10日間の旅行でいちばん印象に残った、世界遺産のヨセミテ国立公園への日帰りツアーを取り上げ、現地で撮影した写真を中心とするフォトエッセイをお届けします。

日帰りツアーについて
サンフランシスコに滞在したのは、2026年3月8日から11日前での4日間。三日目の3月10日、丸一日かけて、現地ツアーに参加して、郊外のヨセミテ国立公園への日帰り旅行を大学生の息子とともに楽しみました。参加した現地ツアーは、GetYourGuideという世界的に有名なツアー旅行代理店の旅行商品「サンフランシスコ:ヨセミテ国立公園とジャイアント セコイアのハイキング」です。実際の現地ツアー会社は、Extranomicalで、バスの運転手兼ガイドは、Alberto Nosenzoさん。Albertoさんは、とてもフレンドリーな方で、英語のガイドもわかりやすくてよかったです。行程は次の通りです。
5:50 Hotelでのピックアップ
8:00 Turlock 朝食休憩
10:00 インスピレーション・ポイントでヨセミテ渓谷見学
11:30 - 14:30 ヨセミテ渓谷(ブライダルベール滝)見学、昼食
15:30 - 16:00 エル・キャピタン見学
16:30 - 17:00 マーセド川から見たヨセミテ渓谷の見学
18:00 セコイア見学
20:45 ホテル帰着
ベテラン現地ツアー会社企画への参加によって、日帰りながら、ヨセミテ国立公園のハイライトを効率よくめぐることができ、とても充実した旅行となりました。
ヨセミテ国立公園の概要
ヨセミテ国立公園は、アメリカ・カリフォルニア州のシエラネバダ山脈に広がる、世界で最も有名な自然保護区の一つです。1984年にユネスコ世界遺産にも登録されました。

1. 氷河が造り出した「巨大な彫刻」
数百万年前、巨大な氷河が山を削り取って進んだことで、垂直に切り立った絶壁や深い渓谷が誕生しました。見どころは、世界最大級の一枚岩「エル・キャピタン」や、ドームを真っ二つに割ったような形の「ハーフドーム」など、他では見られないダイナミックな地形が特徴です。

2. 水と緑の楽園
落差全米一を誇るヨセミテ滝をはじめ、数多くの美しい滝が点在しています。渓谷を流れるマーセド川、樹齢数千年の巨大な杉(ジャイアント・セコイア)の森など、圧倒的なスケールの生態系が保たれています。

3. 近代自然保護の「聖地」
ここは、単に美しいだけでなく、「国立公園」につながる(自然を公的に保護する仕組み)という考え方が生まれた場所」としても重要です。
1. 言葉の誕生:イエローストーン(1872年)
世界で初めて、法律の中に「National Park(国立公園)」という名称が明記されて誕生したのが、1872年のイエローストーンです。グラント大統領が署名した「イエローストーン国立公園設置法」によって、この言葉が公式な制度として確立されました。
2. アイデアの先駆け:ヨセミテ(1864年)
しかし、自然を公的に保護するという仕組み自体はヨセミテの方が先でした。1864年にリンカーン大統領が「ヨセミテ・バレー」を保護区域に指定しましたが、当時は連邦政府ではなくカリフォルニア州に管理を任せたため、名称は「州立公園(State Park)」に近い形でした。ヨセミテが正式に「国立公園」になったのは1890年のことです。
ツアーのガイドと参加者
GetYourGuide
GetYourGuide(ゲットユアガイド)は、ドイツのベルリンに本社を置く、世界最大級の旅行アクティビティ予約プラットフォームです。世界中の観光スポットの入場チケット、現地ツアー、料理教室、アウトドア体験などをスマホ一つで簡単に予約できるサービスで、特にヨーロッパやアメリカなどの欧米圏で圧倒的なシェアを誇ります。日本人の参加者が少ないので、海外旅行らしさを満喫することができます。
ツアーガイドと参加者
ツアーガイドも現地のツアー会社のスタッフが担当することが多いようです。今回参加したヨセミテツアーも、サンフランシスコのextranomicalというローカルツアー会社が主催したもので、Alberto Nosenzoという男性が運転手とガイドを兼ねて、ツアーを率いていました。Albertoは現地に長く住む中年男性で、とてもフレンドリーな方で、英語もわかりやすく、ヨセミテ国立公園について興味深い話をしてくれました。また、エル・キャピタンでは、断崖絶壁を登る登山者を観測するために、自分の双眼鏡を私に貸してくれました。参加したツアー客も、欧米からの観光客がほとんどで、日本人は私と息子の二人だけ。でも、全員が国籍に関係なく友好的にツアーを楽しんでいました。
インスピレーション・ポイントの絶景(トンネルビュー)
ヨセミテ公園ツアー最初のハイライトは、「トンネルビュー」と呼ばれるインスピレーション・ポイント展望台でした。ここからは、ヨセミテ渓谷を象徴する巨岩や滝を一望する「U字谷」の完璧なパノラマが広がります。
左側にそびえる岩山は、世界最大級の花崗岩の一枚岩「エル・キャピタン」です。正面奥の方に小さく見えるのは、ヨセミテのシンボル「ハーフドーム」です。: 右側で白いレースのように流れ落ちる滝は、「ブライダルベール滝」。そして、: 右側の高い崖は「センチネルドーム」です。こん展望台からは、ヨセミテ国立公園の主要な観光ポイントを一望のもとに見渡せる、最高の展望台なのです。



ブライダルベール滝
再びバスに乗って1時間ほど行くと、今回のツアーの目的地ともいえる、ビジターセンター(Yosemite Valley Welcome Center)に到着しました。ここで2時30分まで3時間近く休憩をとり、レストランでの昼食とブライダルベール滝の見学を楽しみました。


ブライダルベール滝(Bridalveil Fall)は、その名の通り、風に吹かれてなびく様子が「花嫁のベール」のように見えることから名付けられました。ヨセミテを象徴する滝の一つですが、他の巨大な滝とはまた違う、優雅で幻想的な魅力を持っています。


ブライダルベール滝を見上げる松林の中に、巨大な岩があり、それがおむすびみたいな形をしていることから、てっぺんに登っては、岩を滑り降りて遊ぶ子どもたちの姿が目をひきました。まさに天然の滑り台ですね。


滝の正面をのぞむトレイルから仰ぎ見ると、ベールの上段の下に、さらにもう一段、日光の華厳滝や熊野の那智滝のような、太く長い滝が流れ落ちているのが見えます。実に壮大な眺めです。

集合時間は2時30分と聞いていたものの、集合場所がうろ覚えだったために、集合場所がわからず、一時は、親子二人とも迷子の状態になってしまいました。15分頃歩き回った末に、ようやくツアーのバスをみつけて、ほっと一安心。
エル・キャピタンの断崖絶壁
ビジターセンターを後にして、30分ほど行くと、巨大な岩壁の「エル・キャピタン」があり、その正面の広場で再び休憩。ヨセミテ国立公園の王者とも言える巨大な一枚岩の岩壁「エル・キャピタン(El Capitan)」は、世界中のクライマーや自然愛好家にとって聖地のような存在です。スペイン語で「隊長」や「首領」を意味するその名の通り、渓谷の入り口にそびえ立つ圧倒的な威容は、見る者を沈黙させる力を持っています。
エル・キャピタンは、単なる岩山ではなく「世界最大級の花崗岩の一枚岩(モノリス)」です。垂直の高さは 約914m(3,000フィート)。東京スカイツリー(634m)よりもはるかに高く、ブルジュ・ハリファ(828m)を凌ぐ垂直の壁です。いまから約1億年前に地下深くで冷え固まった巨大な花崗岩が、氷河の浸食によって削り出されて地上に現れました
かつては「登頂不可能」と言われていたこの絶壁は、現在ではフリークライミングの最高峰の挑戦の場となっています。ロッククライミングの聖地ともいわれます。この日、麓の広場から、ガイドのアルベルトに双眼鏡を借りて、岩壁をみると、赤い服を着て岩壁をロッククライミングする登山者の姿を捉えることができました。ラッキー!


エル・キャピタンの断崖をロッククライミングする登山者(赤のヤッケを着ている)
マーセド川から見るヨセミテ絶景
エル・キャプテンからバスでさらに降りていくと、マーセド川のほとりに出ました。ここから見るヨセミテ峡谷は、絵葉書のように美しく、トンネルビューと並ぶ絶景ポイントといえるほどすばらしいものでした。


