認知症、加齢、高次脳機能障害などによる物忘れを克服するためにiPhoneを120%活用する方法

『認知症、加齢、高次脳機能障害などによる物忘れ（記憶障害）を克服するためにiPhoneを120%活用する方法』連載開始！

人間は「忘れる動物」です。とくに嫌なことは忘れることで、ストレスのない生活を送ることができます。でも、必要な情報は忘れないようにしたいものです。物忘れや記憶障害は、日常生活に支障をきたす場合が少なくありません。その原因は、加齢による物忘れ、認知症や高次脳機能障害による記憶障害などにあります。高齢化社会の進展によって、またストレスの増大によって、こうした物忘れや記憶障害になやむ人が増加しています。

医者や病院では、治療薬やリハビリによって記憶障害を軽減する治療を行いますが、その効果はきわめて限定的です。物忘れがひどくなる、記憶障害や見当識障害の症状が重くなっていく、というのは自然のことで、これをストップさせることは困難です。

そこで提案したいのは、医学的な軽減対策ではなく、外部のツールによって、記憶を補完してあげることです。もちろん、これまでにも、例えば高次脳機能障害や認知症の患者に『メモリーノート』を渡して、いつもこのノートにメモしてもらうといった試みもなされています。しかし、いつもメモリーノートを身につけておき、鉛筆を取り出してメモを頻繁にとることは、手間がたいへんで長続きする人はほとんどいないでしょう。また、たとえメモリーノートに記録しても、あとで必要な情報をすぐに呼び出すことは困難です。つまり、失礼ながら、メモリーノートの実用価値はゼロに近いといっても言い過ぎではありません。また、紙媒体であるがゆえに、大きくてかさばる、検索機能がない、持ち運べるノートの量に制約があるなどの致命的な欠陥があります。

そこで、従来の「メモリーノート」に代わる実用的かつ万能の記憶ツールとして、ここで提案したいのは、iPhoneとAirPodsの音声入力機能をフルに活用することです。立ち上げるまでのセッティングはかなりたいへんですが、一度設定してしまえば、高齢者であろうと、認知症患者であろうと、高次脳機能障害の方であろうと、ほんとにワンタッチの操作と音声入力だけで、どんなに時間がないときでもすばやく記録に残し、また必要な情報をいつでもすぐに呼び出すことができるようになります。つまり、完璧な「外部記憶脳」としてかけがいのないパートナーになってくれるのです！ほとんどの高齢者、認知症、高次脳機能障害の方にも十分に使いこなせる方法です。

以下では、全20回の連載形式で、その具体的なノウハウを説明していきたいと思います。9月15日から連載する予定です。すべての記事をお読みいただき、必要な機能を装備したiPhoneとApple AirPodsを準備できれば、聴覚障害者が補聴器によって聴力を維持できるように、記憶障害や見当識障害に悩む方々が「外部記憶脳」(external memory tools) を持ち歩くことで、記憶力を最大限「保持」することが可能になるはずです。

なお、9月15日（水）にオランダでAppleのイベントが開催され、iPhone13、Apple Watch7の新製品が発表されました。日本での発売は9月24日の予定です。詳しくは、次のApple公式サイトをごらんください。