"A Girl reading the Oxford English Dictionary" from Pixabay

OneNote活用術

OneNoteで学ぶ中・上級英語

中上級向けNHK英語テキストをOneNoteで学ぶ

次に取り上げるのは、NHKが定期的に発行している英語テキストです。2019年度のNHK英語テキストは、入門レベルから上級レベルまで合わせて14冊あります。このうち、テレビで放送されているものは3番組、ラジオで放送されているものは11番組あります。圧倒的にラジオ番組が多いのが特徴的です。しかも、テレビ番組は3つとも入門レベルなので、中上級者には物足りなく感じられます。なぜこのような偏りが生じているのでしょうか?このような傾向は英語だけではなく、フランス語やドイツ語などでも見られます。穿った見方をするならば、テレビ番組にすると、簡単に録画されてしまうので、書籍の売上げが落ちてしまうので、ふつうのラジオでは予約録音のできないラジオで放送し、CDや「語学ダウンロードチケット」などを買ってもらおうという出版側の意図があるのかもしれません。これは本当に残念なことです。

ただし、専用のPCソフトを使えば、特定の番組を毎週自動的に予約録音し、mp3やflacなど好きな形式のファイルで保存することができます。私が愛用しているのは、Mac/Win両対応のNetRadioRecorderというソフトです。定価が¥3,980と高いのが痛いところですが、NHKの語学音声ダウンロード(1番組、1ヶ月あたり972円)やCD版(¥1625)のコンテンツをいくらでも録音できることを考えれば、数ヶ月で元をとれることになります。

https://pcshop.vector.co.jp/service/catalogue/netradio/
https://pcshop.vector.co.jp/service/catalogue/netradio/

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☑ 無料アプリの紹介

無料でNHKのラジオ語学番組をダウンロードできるソフト(Win/Mac対応)もあります。「ラジリンガル」というソフトです。NetRadioRecorderとは違って、過去1週間分の番組に限られ、予約機能もありませんが、無料で利用でき、保存フォルダも指定できるので便利です。ダウンロード先、ダウンロード方法は次のサイトをごらんください。

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また、Windowsのみ対応になりますが、番組予約もできる無料アプリとして、Radikoolがあります。次のサイトからダウンロードできます。

Radikool | ダウンロード
Radikool | ダウンロード

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※なお、これらのソフトはいずれも非公式のもので音声ファイルは著作権を含んでいますので、ダウンロードはオフライン環境またはクラウド内で個人的用途に限定してご利用ください。

Kindle版のNHKテキストをOneNoteに貼り付ける

放送については苦情を言いましたが、テキストに関しては、紙版も電子書籍版も、1冊あたり400円台と、他の語学書に比べると安い価格で提供しています。筆者(出演者)が一流の講師陣であることを考えれば、さらに格安に感じられます。OneNoteに取り込むには、もちろん電子書籍版で購入することになります。NHKテキストの電子版は、次のストアから購入することができます。

テキスト電子版 | NHKテキスト | NHK出版
テキスト電子版 | NHKテキスト | NHK出版

テキスト電子版 | NHKテキスト | NHK出版

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私は日頃から使い慣れているKindleで購入することにしています。Kindleだと、紙のテキストより1割くらい安く買うことができます。今回は、実践例として、『遠山顕の英会話楽習 2019年6月号』を使用して、OneNote版の電子ブックを作成してみたいと思います。下の画像は、6月号の表紙を最上位のページとして、「目次」「テキスト構成」「Dialogs表題」をサブページ、Dialog 1の本文テキストを、さらに下位のサブページとする三層構造のページを作成しています。これによって、テキストの構成を「ページ」の階層レベルで明確に区別することができます。

例えば、最初の「表紙」ページは、次のようになっています。

(NHK電子テキスト『遠山顕の英会話楽習2019年6月号』表紙をOneNoteの「ページ」トップに貼り付けたところ)

このページをクリックすれば、6月号の放送日時などをすぐに確認することができます。次の目次、テキスト構成、Dialogsも同じようなナビゲーション機能を果たします。実際のテキスト本文は、「サブページ」のDialog 1から始まっています。

mp3の音声ファイルを該当ページに挿入する

それぞれのページには、放送内容の該当する音声部分を「音声ダウンロード」チケット(上述)で入手したmp3ファイルを挿入します。ダウンロードチケットで提供されるmp3ファイルは、ページごとに細かく分割されていますから、サウンド編集ソフトを使うことなく、そのままOneNoteのオーディオ挿入機能を使って貼り込むことができます。下の画像は、「Dialog 1 英語のみ」のサブページに、音声ファイルを挿入したものです。「挿入」→「ファイル」でmp3ファイルを指定すると、次のように、画面上部に「オーディオ」という新しいメニューが表示されますから、これをクリックすると、画面上部に「再生」「一時停止」「再生時間」「15秒戻る(進む)」という新しいボタンが表示されます。これを操作することによって、通常の語学練習用プレイヤーと同じように、ナレーションを聞いたり、止めたり、繰り返し聞いたりすることができます。下の本文テキストを見ながら音声を聞けば、リスニングはより完全なものになるでしょう。

(「音声ダウンロード」チケットで入手したmp3ファイルを、該当するページに貼り付けたところ)

OneNoteの手書きモードで問題練習&添削

英語に限らず学習効果を高めるには、テキストに載っている問題を手書きで解き、模範解答を参照しながら自分で添削していることが有効です。OneNoteの手書きモードを活用すれば、それが可能になります。それには、タッチペンで入力できるPCやタブレットが必要になります。私が実際に使っているのは、MicrosoftのSurface Pro6ですが、Surface GoやGalaxy BookなどのPCや、iPadなどのタッチペン対応タブレットでも構いません。

ここでは、『遠山顕の英会話楽習』と『実践ビジネス英語』の2019年6月号を使って、「練習問題」のページをOneNoteに貼り付け、タッチペンで解答を手書き入力し、模範解答をもとに自分で「添削」してみたいと思います。

英作文の問題(『遠山顕の英会話楽習』6月号より)

ここでは、すでに学んだダイアログの一部を使って英文を作るという問題を解いてみます。下の画像は、問題のページをOneNoteにコピーした上で、「描画モード」で専用タッチペンを使って手書きで作文してみたものです。手書きに対応したSurface Pro6を使っています。解答には黒のインクを、添削には赤のインクを使っています。

手書きの字は、消しゴムツールを使えば簡単に消せるので便利です。繰り返し学習したければ、新たなページにもとのテキストをもう一度コピーすれば反復練習が可能です。デジタルノートならではの手軽さですね。また、間違った箇所には、電子辞書を引いて類似例文を貼り付けるのも、記憶を定着させる上では効果的かもしれません。

穴埋め式の問題(『実践ビジネス英語』6月号より)

もう一つ、例としてあげるのは、上級英語のテキスト『実践ビジネス英語』6月号の第1回目のビニェット( Vignette)をもとにした「穴埋め式」の問題です。Vignetteは"Robocalls and Scams"(迷惑電話と特殊詐欺)で、次のような文章です(学術的引用)。

(NHK『実践ビジネス英語』2019年6月号より抜粋した文章をOneNoteに貼り付けたもの)

上級向けのテキストだけに、わからない単語や表現がいくつも見受けられます。そこで、テキストで正解を求める前に、わからない単語などをオンライン辞書『英辞郎』で調べ、新しいページにペーストしておきます。

このような作業をすることで、わからなかった単語やフレーズの意味を覚えることができます。仕上げに、練習問題のページで、タッチペンを使って手書きで答えてみます。

中高年になると、いま覚えたばかりの単語やフレーズなどを、いかにして長期記憶にしっかりと定着させるかが困難になりますが、OneNoteの活用は、こうした学習効果の長期継続にプラスの働きをしてくれると思います。

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