OneNoteを活用して究極のシャドーイング!
スマホのTEDアプリでは、トークを聞きながらマイクでシャドーイングを録音することができました。PCのTED公式サイトを使ってシャドーイングを練習するときは、ウェブだけで録音する機能はありません。けれども、Windows Officeソフトの一つであるOneNoteを併用すれば、ノート画面に動画とトランスクリプトを貼り付け、シャドーイングしながらOneNoteのオーディオ機能を使って録音し、その結果を同じノート上に保存、再生することができます。これによって、TEDによるシャドーイングをオフライン上で徹底的に活用することができます。
OneNoteの使い方は、他のページで紹介しましたので、ここでは省略し、TEDトークについてのノートブック作成から始めたいと思います。OneNoteはWindowsでもMacでも利用できますが、オンライン動画の挿入はWindowsソフトだけの機能になりますので、ここではWindows版のOneNote利用を想定して解説します。
OneNoteは、「ノートブック」「セクション」「ページ」「サブページ」という4つの層から構成されています。出版物にたとえれば、「本」「章」「ページ」に比較できるでしょう。ただし、本とは違って、1ページの長さ(分量)に上限はないため、本のページよりも多くの情報を含めることができます。また、テキストに加えて、動画や写真、音声ファイルを挿入できるので、マルチメディア的なコンテンツを作成することができます。
今回はケン・ロビンソン氏のトークを事例として取り上げ、OneNote上でシャドーイングをする手順を紹介したいと思います。セクション名は「TED」、ページ名は「Do Schools Kill Creativity」とし、複数のサブページに「動画&トランスクリプト」「単語&フレーズ」などのタイトルにつけます。
「動画&トランスクリプト」のサブページは2種類作ります。1ページ目は「動画+英語トランスクリプト」です。幸いなことに、Windows版OneNoteでは、「オンラインビデオ挿入」メニューを使って、TED公式サイト上の動画のURLをコピー&ペーストするだけで、OneNoteのページ上にTEDトーク動画を挿入することができます。また、動画の下部メニューで多言語字幕を選択することができます。1ページ目では、英語字幕を選択しておくといいいでしょう。
動画の下には、TEDサイトのTranscriptタブからEnglishを選んで表示させた英語トランスクリプトをコピー&ペーストで貼り付けます。これによって、動画を再生しながら、下の英語トランスクリプトを読み、初出の単語やフレーズにカラー・マーカーでチェックを入れたり、語彙の意味を日本語で入れたりすることができます。
上に示したのは、OneNote制作の1ページ目冒頭部分です。黄色いマーカー部分は、ちょっとわかりにくかったところで、日本語トランスクリプトを下にメモしています。これなら、トークの意味を一目で読み取ることができますね。このように、全体を通してわかりにくい箇所を日本語トランスクリプトや辞書を引いて確認し、黄色のマーカーと( )での日本語注記でメモっていけば、トークの内容を完璧に理解することができるでしょう。シャドーイングの前に、動画を視聴しながら、このような作業を行っておくと、シャドーイングがより快適に進むでしょう。
OneNoteの自由枠とオンライン辞書の活用
OneNoteは、WordやPagesなどのワープロソフトとは違って、ページの書式とか段落といった概念がありません。あるのは、自由に設定できる「枠」だけです。そのため、下の画像のように、左側に英語のトランスクリプトを置き、右側に日本語の訳文をきちんと合わせて配置するといった芸当がいとも簡単にできるのです。
また、空白部分に、Webページで検索した「英辞郎」の語義や例文などを、カラフルなハイライトをつけて配置することもできます。これは、記憶の定着に時間のかかる中高年層にとっては実にありがたい機能といえます。Web版「英辞郎」は、しばしば電子辞書よりも的確な訳語を示してくれるので重宝します。これがすべて無料というのもありがたい限りです。