遅まきながら、メルカリ・デビュー
恥ずかしながら、私がメルカリなるものの存在を知ったのは、つい1週間前のことです。若い友人と食事をしながら話が弾んでいたとき、話題が「メルカリ」に及ぼました。その名前にはなんとなく聞き覚えがあったものの、中身がわからず会話にもついていけなかったので、思い切って「メルカリって何?」と聞いてしまいました。そしたら、案の定彼らに笑われてしまいました。「え、今頃そんなことも知らないんですか?」と言われてしまいました。
なんでも、オークションのように、自分の持っているものを安く売買できるスマホのサービスなんだそうです。新しもの好きの私としては、放って置くことはできず、帰宅後さっそく、Amazon Kindleのメルカリ入門書をダウンロードし、これを片手にAndroidとiPhoneのスマホに専用アプリをインストールしました。
メルカリは登録して、基本的な情報を入れるだけで、その場で商品を出品することができます。私も、物は試しと、すぐに手元で使わずに眠っているIT関連製品を引っ張り出し、大事に保管していた箱、付属品一式と一緒にスマホの写真に撮り、出品してみました。記念すべき出品第1号は、BOSEのワイヤレスイヤホン Soundsports Free Wireless Headphoneです。購入価格は25,600円でしたが、画面で同じ機種の価格をみて、それよりやや安めの16000円で出品しました。すると、ものの3分も経たないうちに、「14000円なら買いたい」というオファーがありました。
なにしろ、初出品だったので、値切り交渉の仕方もわからず、最初の品だからいいか、という気持ちでOKしました。こうして、登録からなんと約5分で14000円で手持ちの商品が売れてしまいました。これには本当にびっくり。確かに、BOSEのワイヤレスイヤホンは大人気で、しかも私の持っていた製品はカラーがミッドブルーとイエローという、一番人気のカラーだったということもあるかもしれません。また、BOSEではその後まだ新製品を出していないのも幸いしたのかもしれません。
私がなぜBOSEのワイヤレスイヤホンを手放そうと思ったかというと、他のワイヤレスイヤホンに比べて、充電器の図体が大きいこと、耳につけたときに、イヤホンが大きいために飛び出して、私のような年配のものには少し目立ちすぎること、ハイレゾに対応していないこと、などの理由からです。
でも、メルカリには数千万人のユーザーがおり、やはりこのイヤホンをぜひほしいと思っている人はたくさんおり、このような人たちにとっては、定価の半値近くで手に入ることは大きな魅力なのだろうと思うのです。これほど迅速に品が売れることは、Yahoo!オークションなどではありえず、メルカリならではのメリットといえるでしょう。
これに味をしめて、それから3日間は、手元にある人気のITガジェットで必要性の薄いものを、次々とメルカリで出品し、どれも出品から30分以内に売却することができました。売上合計はなんと11万円以上。メルカリに払う手数料を引いても、約10万円の販売利益を得ることができました。1週間後の口座振込みが楽しみです。
以下では、メルカリとは一体どんなサービスなのか、メルカリの基本的な使い方、メルカリでより高く、早く売るためのコツなどを、順を追って説明したいと思います。
メルカリとは
メルカリは、2013年にスタートしたフリマ(フリーマーケット)サービスです。不要になった身の回りの品や手作りの品をスマホのアプリを使って売買できます。商品の撮影から出品、取引き、コンビニなどからの発送、売上代金の振込みまで、すべてスマホだけでできるため、中学生から高齢者まで幅広く利用されており、いまやスマホアプリの保有者は5000万人を超えるともいわれています。
他の同種サービスと比べて、出品から取引成立までの時間が短いのが特徴で、出品からわずか数分で取引が成立することも珍しくありません。そのため、手元の品をすぐに処分したい人には願ってもないサービスといえます。
メルカリには、次のようなメリットがあります。
- 身の回りの不用品を最大の価格で処分することができる
私のようなシニア世代にとっては、生前整理にもなる。利益が上がることで、売却したあとの爽快感がたまらない。主婦などには、この快感がたまらず、メルカリ中毒になる人もいるらしい。 - 取引がすべてスマホアプリで完結しているので、わかりやすい
いまのスマホはカメラの性能が高いので、処分したい製品をキレイに撮ることができる。コンビニでの発送も、スマホ画面のQRコード(ファミマ)やバーコード(セブンイレブン)を見せるだけでOK、という手軽さ。 - 会員が数千万人のオーダーでいるため、レアな品でも買い手がつきやすい。人気ブランドの品なら、わずか数分で即決。
- 匿名での取引が保証されているので、トラブルが少ない。万一トラブルになっても、メルカリが仲介してくれる。
- 他のネット通販サイトに比べ、悪質な業者が比較的少ないので、被害に会う確率が低い
このように、他の類似サービスと比較すると、メリットが大きいため、メルカリの利用者は今後も着実に増えるのではないかと思われます。
メルカリで「終活」する高齢者が激増!
先日の朝日新聞(2019年3月19日)によると、最近の「終活」ブームを受けて、メルカリで生前整理を行う高齢者が増えているそうです。
19日、同社が60歳以上を対象に大阪市内で開いた座談会も20人の募集枠に対して300人強が応募するほど人気だった。
メルカリによると、同社のアプリを通じた2018年の出品で、説明に「終活」や「生前整理」というキーワードを含む件数が前年に比べ2・5倍に増えた。
実際、私は4月から新たにシニア層の方を対象に「スマホ教室」の開催を予定していますが、参加予定者からも、「ぜひメルカリについて教えてほしい」という強い要望を受けています。そのため、最初の3ヶ月くらいは、メルカリの使いこなし術を徹底的にマスターしていただこうと思っています。70歳以上になると、一般の方はスマホの基本的な使い方を覚えるのも楽ではないようですが、メルカリのように、就活、生前整理にもろ役に立つサービスであれば、必死になって覚えてくれるものと期待しています。まさに、一石二鳥というわけです。
メルカリで迅速に取引する秘訣
私自身、メルカリを始めてからまだ3週間ほどしかたっていませんが、この間、身の回りで不要になったIT関連製品10点以上をメルカリに出品し、すべて出品から24時間以内に売却することができました。売上の合計は20万円を超えています(手数料を引いた純益)。おかげで、春に予定している海外旅行の費用の大半を賄うことができました。これは思いがけない収穫です。
このように満点といってもいい取引ができた理由を考えると、次のような点があったと思います。
- 人気のIT製品だったこと
(BOSEのイヤホン、SONYのハイレゾスピーカー、Canonの純正レンズ、ネットレビューで高評価の商品、など) - 購入日が比較的新しかったこと
(ほとんどが2018年以降) - 購入時の梱包物(とくに箱)をつけて写真撮影したこと
- 商品の説明を詳しくつけたこと。傷、使用歴などの有無を明記したこと。
- 出品価格の相場をメルカリで調べ、それよりやや低い価格をつけたこと
ただ、相場よりも少し安めに設定したため、それより安いオファーがあったときも、すぐに応じるのではなく、出品価格ないしそれに近い価格のオファーがあるまで待ったことが、売上げの増大に貢献したと思います。焦って、安い価格に妥協するのは待った方が得策です。じっと待てば必ず買い手が現れる、それがメルカリのいいところではないでしょうか。
スマホでメルカリを始める方法
これからメルカリを始めようと思っている方のために、スマホでメルカリをするための手順を説明したいと思います。メルカリはパソコンでもできるのですが、スマホを使うほうがはるかにスムーズに行うことができます。
メルカリの会員登録
メルカリで取引するためには、まずはスマホでメルカリの会員登録をしなければなりません。その手続きは簡単です。iPhoneでもAndroidでもほとんど同じなので、ここではAndroidスマホの場合を説明します。
Google Playストアでメルカリのアプリをインストールします。いくつかのステップで次のような登録画面があらわれます。
FacebookやGoogleのアカウントを持っている場合は、これらのアカウントを用いて登録することもできます。ここでは、自分のメールアドレスを使って登録することにします。「メールアドレスで登録」ボタンを押すと、登録画面になりますので、メールアドレス、パスワード、ニックネーム、性別を入れます。
ホーム画面
登録が終わると、「ホーム画面」が表示されます。メルカリで商品を購入したい場合には、この画面で買いたい商品を探します。探し方には、「ジャンル」別の画面を見て探す方法と、キーワードをいいれて探す方法とがあります。最初に表示されるのは、「おすすめ」の画面です。
新しい商品から順に上から表示されますから、画面を下にスクロールすると、「おすすめ」の全商品を見ることができます(下の左側の写真)。よさそうな商品の写真をタップすると、商品の価格、詳しい写真、説明、出品者のプロフィールなどを見ることができます(下の右側の写真)。
購入したい場合には、右下の「購入手続きへ」ボタンを押します。
「おすすめ」以外にも、画面上のジャンル別タブをスライドさせれば、好きなジャンルの商品を絞り込んで表示させることができます。Androidスマホの場合には、「新着」「レディース」「ベビー・キッズ」「インテリア・雑貨」「コスメ・美容」「ハンドメイド」「チケット」「自動車・オートバイ」「スポーツ・レジャー」「家電・スマホ・カメラ」「おもちゃ・ホビー・グッズ」「本・音楽・ゲーム」「メンズ」に分かれています。自分に関心のあるジャンルを選んでスクロールして商品をながめるだけでも楽しいものです。売買価格の相場を知ることができます。
キーワード検索
ジャンル別にどんな商品が取引されているか、その全体像を知るには上のようなジャンル別閲覧が便利ですが、実際に自分で買いたい商品、出品したい商品を一発で見つけるには、「ホーム画面」にある検索ボタン(虫眼鏡マーク)をタップして、商品名やブランド名などを入れるのがいちばん手っ取り早い方法です。
例として、人気のあるIT製品として、「iPhone8」を例にとって検索してみましょう。とくに、SIMフリー版がほしい場合は、検索画面で「iPhone8 SIMフリー」と入れてみます。すると、下のように、該当する商品の一覧が表示されます。ただし、キーワード通りの商品だけがヒットするわけではなく、スマホケースなど関連の商品も表示されますので、この中から、購入候補になるかもしれない商品のサムネイルをクリックします。
ここでは、画面下のiPhone8レッドが気になったので、このサムネイルをタップしてみましょう。
すると、選択した商品の詳しい情報が表示されます。一番上には商品の写真が載っています。ふつうは、最大4枚までの写真をスライドしてみることができます。メルカリでは、原則として出品される商品の写真を載せることを義務付けています。カタログの写真などを使うのはNGとされています。そのため、実際に出品された商品の写真をチェックすることができます。商品に傷などがついていないか、部品や箱などが揃っているかを確認することもできます。また、型番やスペックなどを撮った写真も参考になります。
写真の下には、商品のタイトルと、商品の説明が載っています。単なるスペックだけではなく、出品者がいつ頃なぜその商品を出品することにしたのか、使用期間、商品の状態などが記述されています。
その下には、商品の情報が記載されています。「商品の状態」「配送料の負担」「配送の方法」「発送の地域」「発送までの日数」がわかります。
画面の左下には、出品者が提示した商品の現在価格が表示されています。ふつう、表示された価格ですぐに購入することはしません。気に入った、あるいは気になったら、写真の下の「いいね!」ボタンを押します。すると、「マイページ」の「いいね!・閲覧歴」に登録されて、いつでも見ることができます。いわば「ブックマーク」「お気に入りリスト」ですね。他の同じような商品をチェックして、どうしても欲しくなったら、そのときに購入すればいいわけです。その前に他の人が購入してしまうこともありますが、そのときは別のいい商品が出品されるのを待てばいいのです。
いきなり購入する前に、「オファー」ボタンを押して、値引き交渉をするのが賢いやり方だと思います。
オファーボタンを押すと、上の右側の写真のように、メルカリでは表示価格の1割引の値段を「オファー価格」として表示します。この値段を手動で変えることもできます。ただ、一般には1割引の値引き交渉が妥当なところでしょう。「オファー」ボタンを押すと、出品者にこのオファーが届き、出品者はオファーを受けるか断るかを決めることができます。オファーを受ければ、売買交渉は成立し、その値段で購入することができます。