急速に広がる完全左右分離型Wirelessイヤホンのマーケット
これがイヤホンの最新進化型だ。「左右分離型Wirelessイヤホン」(True Wireless Earbuds)というらしい。新発売が多い上に、製品には、ピンからキリまであるので、選択が難しい。『デジモノステーション(ds)』2018年7月号によると、2016年12月にAppleが「AirPods」を発売したのが最初だそうだ。それ以来、内外の多くのメーカーから完全分離型のWirelessイヤホンが次々と発売され、Wirelessイヤホン市場でも徐々にシェアを伸ばしてきたのである(以下では「完全分離型イヤホン」と略称)。
完全分離型イヤホンの長所は、次のような点にある。
- ケーブルがないので、完全ウェアラブルになる
- 携帯ケースが充電器になるので、使用可能時間が長い
- 外部から目立たない
音質の点でも、最近の機種はケーブルありのイヤホンと同等になっている。また、外れやすいのでは、という心配も最近の機種ではほとんどなくなっている。耳に完全フィットするような形状になっている。
おすすめの機種は?
いろいろな雑誌やウェブサイトでの評価をみると、もっとも音質がいいのは、AppleのAirPodsだというのが、もっぱらの評判だ。Boseの SoundSport Free wireless headphonesも外見がおしゃれで高級感があり、魅力的なモデルだ。ただ、AirPodsは真っ白なイヤホンが耳の下に飛び出していて、私にはちょっと恥ずかしくて使えないという感じだ。若者なら、これを格好いいと感じるかもしれない。Boseは音も良さそうだが、定価が29000円もするので、ちょっと手が届かない感じだ。
これ以外では、SONYのノイズキャンセリングつきのイヤホンと、外の音を拾ってくれる新発売のがおすすめだ。ただし、後者はやはり定価が28000円とやや高いのがネックだ。
もう一つ、重低音が魅力なのは、Jaybird Runだろう。JayBirdは、日本ではあまり知られていないが、アメリカのメーカーで、私はケーブルつきのWirelessイヤホンを持っているが、音質はとても良い。
結局、私が選んだのは、日本ではあまり知られていない、デンマーク製の Jabra Elite65tというモデルだった。価格は¥22000とそれなりに高いが、買って損はしなかったと感じている。いまや、他のいくつものイヤホンを差し置いて、日常的にもっともよく使うイヤホンとなっている。
Jabra Elite65tのいいところは、次の6点だ。
- 充電時間が、ケースを含めて計15時間と長いこと
- アプリのイコライザーで音質を調整できること
- 耳へのフィット感がよく、左右のイヤホンにタッチすることで、音を消したり、音量を調整したり、曲送りができること
- Amazon AlexaやSiri、Googleアシスタントの音声アシスタントに対応していること
- 外部の音を取り込める機能があること
- 音質がクリアでさわやか
低音にはあまり期待しないほうがいいだろう。また、ノイズキャンセリング機能はあるようだが、あまり期待しないほうがいいかもしれない。また、音声アシスタント機能は、いまのことろSiriしか対応しておらず、AmazonやGoogleのスマートスピーカーへの対応は、アプリのアップデート待ちの状況だ。
このJabraに限らず、完全分離型イヤホンをつけて感じるのは、これまでのケーブルつきイヤホンの煩わしさからの開放感だ。音が鳴っていないときは、耳につけていることを忘れてしまうほどだ。また、まわりの視線も気にならなくなった。私のようなシニアにはぴったりの製品といえるのではないだろうか。