IT製品情報

「Omoidori」と「おもいでばこ」による「デジタル終活」のすすめ

Omoidori公式サイトより)

写真デジタル化ツールの革命児「Omoidori」

私の息子が生まれたのは2005年。その頃には、写真はすべてデジタルカメラで撮るようになっていました。生まれたばかりの息子が成長する様子を、夢中になってデジタル一眼レフカメラでとり続けてきました。優に3000枚を超える数の写真が私のハードディスクに収められています。最近になって、「おもいでばこ」という専用のハードディスクを使って、この膨大な写真を整理するようになりました。これについては、のちほど改めて詳しく紹介したいと思います。

いまの子供達は、このように自分の入った写真をすべてデジタル形式で持っているわけですが、私のように昭和世代の人間は、子供時代から学生時代にかけての写真を紙焼きの形でアルバムに貼って保存していました。いったんアルバムに入れてしまうと、なかなか本棚から取り出して見るということをしません。家族で昔の写真を一緒に眺めて楽しむという習慣もなくなってしまいました。また、東日本大震災のような大きな災害に万一あったときには、アルバムごとなくなってしまうというリスクもあります。こうした紙焼きの写真をきれいなデジタル写真に撮り直してくれるツールがあれば便利です。

こうしたニーズに応えてくれるのが、PFUの開発したOmoidoriという写真撮影用スキャナーです。PFUは、両面スキャン&OCR処理できるドキュメントスキャナーとして有名なScanSnapを開発したメーカーです。Omoidoriは、スキャンの対象を、紙焼き写真に限定し、アルバムに貼ったままの古い紙焼き写真の上に置いて、写真を撮るような感覚でアプリのシャッターボタンを押すだけで、アナログの写真をデジタルのフォトファイルに変換してくれる装置です。2016年6月に発売され、隠れた人気商品になっています。下の画像は、アルバムに貼った写真をomoidoriで撮影する様子を示したものです。

Omoidoriは幅と高さ、奥行きが10cmほどのコンパクトなボックスで、iPhoneをはめ込んで、下に置いた紙焼き写真を「撮影」します。iPhoneにあらかじめOmoidoriのアプリを入れておき、これを起動させると、Omoidoriのシャッターが下に表示されるので、これを押すと、下においた写真が別の角度から2回撮影され、これを自動的に合成して、きれいな写真が作成されます。

いわゆる「てかり」のない写真が撮れるのと、自動的に写真の枠を検出してトリミングしてくれるという便利な機能をもっています。上の写真をOmoidoriで撮影したのが、下の写真です。小学生の頃、八ヶ岳に行ったときに母と一緒に撮った写真です。

きれいにトリミングされているのが分かると思います。本当にびっくりするほどの出来映えです。こうして、わずか数秒で古い紙焼きの写真がデジタル写真に生まれ変わるのです。まさに、写真デジタル化ツールの革命児といえるでしょう。

iPhoneを安く手に入れる方法

残念なのは、omoidoriにセットできるスマートフォンがiPhoneに限られているという点です。セットできるのは、iPhone5/5s/6/6s/SE/7/8だけです。Androidスマホは、ボディサイズやカメラの位置が一定していないので、製品化が困難だったようです。私がふだん使っているiPhone7Plusも、サイズが合わないのでセットできません。

そこで、OmoidoriにセットできるiPhone6sを安く入手することにしました。iPhone6sにした理由は、iPhone6に比べてカメラの解像度が1200画素と大幅に向上しているからです。

ネットでsimフリーの中古iPhoneを調べた結果、M社で18000円という安い価格でiPhone6sを販売していたので、これを入手しました。ところが、送られてきたiPhone6sを起動させようとしたところ、どうしても起動せず、M社の担当者に問い合わせたところ、メーカーに問い合わせてくれとのこと。メーカーに問い合わせたところ、ようやく無事に起動させることができました。

このように中古のiPhoneを購入する際には、とかくトラブルが少なくないようです。とくに気をつけたいのは、「赤ロム」と呼ばれるスマホです。これは、「盗品」スマホのことで、携帯会社はこうしたスマホが使えないようにしているため、うっかり赤ロムを掴まされると、全く使えずに泣きを見ることになります。そうした心配のない「白ロム」であることを確かめた上で購入されることをお勧めします。また、中古ショップにはピンからキリまであります。ネット上の信頼できる「評判」「口コミ」をよく読んだ上で確かなショップを選択することが大切だと思います。

私の場合は、あまり対応がよかったとはいえませんが、幸い白ロムのiPhone6sを安い値段で買えたM社にしてラッキーだったかもしれません。ただし、1回だけの経験なので、ここがお薦めともいいかねます。

しかし、結果的にいいiPhone6sを入手したおかげで、Omoidoriを使って、20冊ほどの古いアルバムに貼った写真の中で、これはと思う古い写真を次々に撮影し、数百枚のデジタル写真をハードディスクに収めることができました。

「おもいでばこ」による写真の整理と再生

さて、こうしてPCに取り込んだ古い写真や、デジタルカメラで撮りためてきた膨大な写真を整理し、家族で一緒に楽しむことのできる「デジタル写真アルバム」を作成するには、Buffaloの「おもいでばこ」という携帯型ハードディスクが最適なツールです。

「おもいでばこ」は、HDMIケーブルでテレビにつなぐだけで、デジタル化した写真を「アルバム」や「カレンダー」などの形で整理して、好きな写真だけを大画面のテレビで家族いっしょに楽しむことのできるツールです。テレビ画面をみながら、リモコンでメニューを選択するだけなので、お年寄りにも簡単に操作できます。また、クリップ機能で好きな写真をスマホやタブレットに保存して持ち出すこともできるので便利です。同じWi-Fiネットワークにあれば、おもいでばこの写真をPCやスマホ、タブレットですべて閲覧したり、編集したりすることができます。PCに「おもいでばこ」アプリをインストールしておけば、テレビ画面にくらべて編集作業は大幅に効率化できます。

私自身、1万枚はあろうかという膨大な写真アーカイブからPCのおもいでばこアプリを使って、約100くらいの「アルバム」をつくり、合計2000枚くらいの写真集をまとめることができました。これは、私にとっては、重要な「終活」の一つだったと思います。私に万一のことがあっても、家族がテレビで「おもいでばこ」のスライドショーを見ながら、私のことを偲んでくれるでしょう。あるいは、お葬式のときに、これはと思うアルバムをスライドショーで流してくれるかもしれません。

とくに、古い紙焼き写真の整理に困っている高齢者の方々には、「Omoidori+おもいでばこ」を用いた「デジタル終活」をぜひお薦めしたいと思います。

-IT製品情報