高次脳機能障害の方には、短期記憶の保持を助けるために、「メモリーノート」の利用が奨励され、それに合ったノートが開発されているようですね。ノートの使い方についての講習会なども開かれているようです。一般に「メモリーノート」は高次脳機能障害の一つである記憶障害に対して用いられる補完手段の一つとして有効だと報告されているそうです。
実際のメモリーノートの例をみると、「スケジュール」「To-doメモ」「重要メモ」「作業日程表」の4つからなっているようです。このうち、「スケジュール」はスマホのアプリでいえば、「カレンダー」アプリに相当します。「To-doメモ」は「リマインダー」や「Todo」アプリがこれに相当します。「重要メモ」は「メモ」アプリで実行することができます。
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けれども、「メモリーノート」は、サイズと厚さがスマホに比べて二回りも大きく、携帯できるとはいっても、ポケットに入れて持ち歩くのは困難です。バッグに入れておいて、必要なときにペンと一緒に取り出して書き込んだり読んだりするという使い方になるでしょう。これでは、長期記憶にある情報を記録するのには使えても、数秒から数分くらいしか保持できない短期記憶を保持するツールとして使うことはできないのではないでしょうか。
この点に関しては、スマホは圧倒的に高性能かつ使いやすい短期記憶保持の補助ツールになってくれます。スマホに加えて、耳につけるスマートイヤホンを併用するならば、この新しいモバイルツールは、ちょうど難聴者が「補聴器」をつけて街を歩いているのと同じように、スマホをポケットに忍ばせ、WiFi接続したワイヤレスイヤホンをつけて歩くのは、「補脳器」と呼ぶことができるでしょう。つまり、スマホとイヤホンをセットで使うことによって、高齢者、認知症、高次脳機能障害の方々は短期記憶、長期記憶、ワーキングメモリーの能力を飛躍的に高めることができるのです。