デジタル海外旅行ガイド OneNote活用術

OneNoteで作る自分だけの海外旅行ガイドブック

デジタル・ツールを活用して海外旅行を200%楽しむ法【第2回】

ノートブックのタイトル設定

OneNoteのいいところは、さまざまなテーマでノートブックをつくり、「セクション」「ページ」「サブページ」という階層構造で情報を収集、整理、保存できることにあります。作成後、必要がなくなったノートブックは、削除せず、OneDriveクラウド上にいつまでも保存しておくことができます。必要になったら、再度ウェブブラウザを使って、OneDriveから呼び出すことができます。OneNoteの保管されている場所は、OneDrive(ブラウザ上)の「ドキュメント」というフォルダにあります。

「パリ観光旅行」に関するOneNoteドキュメントを作成するにあたって最初にすべきことは、タイトルをつけた「ノートブック」を作成することです。ここでは、分かりやすく「2020年パリ旅行」としました。ノートブック名は変更可能ですが、残念ながらアプリ上ではなく、ウェブブラウザでOneDriveにアクセスし、「ドキュメント」フォルダを開いて、「2020年パリ旅行」というファイル名を見つけて変更するという手間をかけなければなりません。これだけがちょっと不便なところです。その下の「セクション」や「ノート」の名前はアプリ内ですぐに変更が可能です。

作成するノートブックの数に制限はありません。あるとすれば、契約しているOneDriveの容量だけでしょう。私の場合は、Office365を契約しているので、1TBまで自由に使うことができます。Word、Excel、PowerpointなどのOffice製品をお使いの方は、Office365を契約すればOneDriveをお得に使えると思います。Office365が必要ないという方でOneDriveの容量を増やしたい方は、別途OneDriveだけを有料契約する必要があります。その場合は、月224円で100GBまで自由に使えるようになります。くわしくは、Microsoftの次のサイトをごらんください。

「2020年パリ旅行」ノートブックの構成

それでは、実際に「2020年パリ旅行」のOneNoteノートブックを作成していきましょう。最初に、このノートブックで収録すべき大項目を「セクションの追加」で作成しておきます。セクションは追加、削除、名前変更が自由にできますから、とりあえず必要と思われるセクションを作っておきましょう。また、セクションの並び順もカーソルでのドラッグ操作で簡単に行うことができるので便利です。Evernoteにはノートブックやタグの並び順を自由に変えられるという機能がありませんから、OneNoteのほうが使い勝手がいいといえます。

さて、パリ旅行は2020年2月に計画しているのですが、それに必要な旅行プランの項目として考えられるのは、「旅行日程」「航空券の手配」「ホテルの予約」「行きたいカフェ」「行きたいレストラン」「その他の行きたいお店」「フランスの基本情報」「見たい観光スポット」「交通機関の情報」「パリ日帰りツアー」「ミュージアムパス」「旅行保険」「クレジットカード」「旅行用スマホ、SIM」「パリのおみやげ」「フランス語旅行会話」といいったところでしょうか。実際には入れるべき情報がなければ削除すればいいので、最初は思いついた項目をなるべくセクションとして登録しておくといいかと思います。

各セクションの見出しにはカラフルなタブが自動的につけられます。特定のセクションのタブをクリックすると、「ページの追加」という表示が出ますから、必要なページを追加していきます。下の画像では、「ホテルの予約」というセクションの下にあるページを示しています。私が予約したのは、サンジェルマン・デプレにあるLe Relais Médicis という四つ星ホテルです。Booking.comというオンラインのホテル予約サービスを通して予約しました。予約すると、確認メールがBooking.comから届きます。このメールを画面キャプチャして、OneNoteのホテル予約ページにコピーしておきます。

この他にも、ホテルの公式ウェブサイトから、必要な情報をコピペや画面キャプチャでOneNoteのホテル予約ページに追加しておきます。また、空港からホテルまでの交通手段、ホテル近くのバス路線、ホテルについての口コミ、HOTEL周辺のレストランやカフェ、スーパー、観光スポットなども、他のページと重複するかもしれませんが、ホテルのページに入れておくと便利です。こうして作ったのが、下に示すようなOneNote「2020年パリ旅行」ノートブックです。

上のノートブックの中で、Le Relais Médicis のところに☑️が付いていますが、これは「ページ」であることを示しています。その下にある「予約確認メール」から「ホテルについての口コミ」までは、見出しが少し右にずれています。これは「サブページ」にしているからです。これらはホテルに関するサブ情報であることを意味しています。☑️をクリックすると、サブページは畳み込まれるようになっています。これは視認性を高めるので便利な機能です。サブページにするには、ページ見出しをマウスで掴んで右にずらすだけです。

ページへの入力方法

OneNoteに情報を入力する方法は、色々あります。ワープロソフトと違って、OneNoteのページは、どこにでもテキスト、図形、音声ファイル、PDF、画像、動画を自由に貼り付けることができます。入れることのできる領域は、大げさに言えば、左右上下に無限大です。とは言っても、ディスプレイ上で見える範囲に収める必要はあります。ただし、「セクション」や「ページ」の見出し部分は、画面左の マークをクリックすると畳み込まれますから、ページの内容だけを大きく表示させることができます。たとえば、下の画面は、「ホテル情報」のページでブックマークを押して、ホテルに関する詳しい情報のページだけを大きく表示させたものです。このように、OneNoteでは、セクションやページの見出しのタブを隠して、ページだけを大きく表示させ、ページの内容をワープロ並みに見やすくさせることができます。

ファイル、PDF、画像、オーディオ、動画の挿入

OneNoteのページには、テキストを直接入力できる他、各種のファイル、PDF、画像、オーディオファイル、動画など実にさまざまな情報を入力することができます。まさにマルチメディア型の情報ツールと言えます。よく使うのは、Webページや電子書籍などの画面をキャプチャ(コピー)して、直接OneNoteのページにペーストする方法です。ペーストした画面は、簡単にリサイズできますから、ページの編集は容易です。PDFも、外部からドラッグするだけで、印刷イメージをコピーすることも簡単にできます。オーディオファイルも、ドラッグ操作でページに貼り付けることができます。しかも、音声ファイルを貼り付けると、がめん上部メニューに再生ボタンが自動的に表示されるので便利です。

さらに、YouTubeの動画をOneNoteに貼り付け、ページ上で再生させることもできます。ただし、これはWindows PCだけにある機能です。MacのPCでは残念ながらサポートされていません。Windows PCであれば、メニューの「オンラインビデオ」をクリックし、YouTubeやVimeoなどのURLを入れるだけで、ページに当該ビデオが挿入されます。挿入されたビデオは、オンライン環境であれば、再生ボタンをクリックするだけで自動的に再生されます。たとえば、見たいパリの観光スポットのページに「ヴェルサイユ宮殿」を作成しておき、このページにYouTubeで見つけたヴェルサイユ宮殿の紹介ビデオを挿入すれば、OneNoteの中で動画を再生することができルわけです。これで、OneNoteは手軽なマルチメディア型ガイドブックに変身します。

(Windows PCでOneNoteにYouTubeの動画を貼り付けたところ)

もとのYouTube動画は、次のようなものです。

 

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