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OneNote活用術

究極の知的生産ツール:Surface ProとOneNoteの活用法

はじめに

今回は、コンパクトなWindowsマシンであるMicrosoftのSurface Pro 6(またはSurface GO)、代表的なノートブック・アプリの一つであるMicrosoftのOneNote(2016)、電子書籍アプリKindleとhontoを組み合わせることで、いかにして「究極の知的生産ツール」といってもいいリソースを構築することができるかを、具体的な利用方法と応用事例を交えてご紹介したいと思います。私は、高校生の頃に梅棹忠夫さんの「知的生産の技術」(岩波新書)に出会って以来、さまざまな知的生産ツールの構築を試行錯誤しながら試してきましたが、今回の試みはその最終決定版だと考えています。下に示すのは、その大見出しで、これから少しずつ執筆を進めて行きたいと思いますので、辛抱強くおつきあいいただければ幸いです。



EvernoteからOneNoteに乗り換えた理由

私がクラウド上の情報整理・蓄積サービスであるEvernoteの利用を始めたのは、2010年頃、Evernoteがサービスを開始してから2年後くらいでした。メモから音声、写真、動画までありとあらゆるデジタル資料を「ノート」という形でフラットにクラウド上に取り込み、「ノートブック」「タグ」「スタック」で整理できるというコンセプトに感心し、ずいぶんたくさんのノートブックを作成して活用をはかってきました。

けれども、ウェブページなどをあまりにもたくさん、数え切れないほどのノートブックに入れたために、クラウドはほとんど「ごみため」状態になり、結局ほとんどの情報をほったらかし状態にしてしまう結果となりました。こうして、Evernoteの利用頻度は次第に減少し、それに伴って契約プランもダウングレードし、今では無料のベーシックプランにしています。

この間、Evernote料金プランはたびたび改定され、現在は、一般個人向けには、無料の「ベーシック」プランと、月600円の「プレミアム」の二本立てになっています。その中間にあった「プラス」は今はなくなっているようです。

[blogcard url="https://evernote.com/intl/jp/compare-plans"]

ベーシックプランは、月間アップロード容量がわずか60MB、利用端末数が2台までとなっており、ほとんど使えないサービスです。となると、残されているのは「プレミアム」プランですが、これも端末数こそ無制限であるものの、月間アップロード可能容量はわずか10GB、ノートの上限サイズは200MBとなっています。10年前ならこれでも十分だったかもしれませんが、4K動画時代のいまでは、200MBとか10GBなどは、1週間で超えてしまうことも少なくありません。このようなきびしい制約ゆえに、最近では、Evernoteをやめて他のよりコストパフォーマンスの高いクラウド情報サービスに乗り換える動きもあるようです。

そうした乗換え先の有力候補として第一にあげたいのは、今回くわしく紹介するOne Noteです。OneNoteは基本的に無料のソフト(アプリ)です。情報をアップするには、One Cloudというクラウドに加入する必要がありますが、Microsoftのアカウント(無料)を作成するだけで、5GBの容量が与えられます。これで足りない場合は、月額249円で50GBのクラウドが利用できるようになります。WordやExcelなどMicrosoft OfficeをSolo365で月額1274円で利用している人は、追加料金なしでなんと1TBのOne Driveが利用できるようになります。私はこのサービスを利用しています。

というわけで、容量と料金上の不満、One Drive利用開始という2点のために、私は長年愛用していたEvernoteをやめて、One Note上で情報を整理、蓄積、創造するという新たな試みに挑戦することにしました。乗換先の有力候補としては、Day One2というすぐれたアプリも上がったのですが、残念なことにDay One2はMacとiOS限定のソフトだったために、あきらめることにしました。私が立てた計画は、One Noteだけで、EvernoteとDay One2の両方の機能を併せ持ち、Mac、Windows、iOS、Android端末間で膨大な情報を迅速かつ効率的に同期可能な「究極の知的生産ツール」にすることでした。

OneNoteとOneNote2016のどちらを選ぶか?

OneNoteとは?

OneNoteは、MicrosoftからOfficeシリーズの一つとして無料で提供されているソフトまたはアプリです。Windows、Mac、iOS、Androidのすべてのプラットフォームで利用することができ、OneDriveというクラウドに同期させることによって、どの端末で作成されたファイルもすぐに他の端末から取り出して利用することができます。基本単位は「ページ」で、ここにはテキスト、手書き文字、図形、写真、音声、動画、Office文書、PDFなどを好きな場所に配置することができます。次のサイトからダウンロードすることができます。

ページは「セクション」という階層の下に置かれ、セクションは「ノートブック」という最上位の階層の下に置かれています。ページの下には、さらに「サブページ」という階層を設けることもできます。ノートブックは、紙の書籍にたとえれば、1冊の本あるいはノートブックに相当する単位ですが、実際には、複数の書籍を「セクション」として、なにか特定の「テーマ」の下にまとめて設定することも可能です。書籍とは違って、このあたりは自由度が高く、OneNoteを使いやすいツールにしています。もちろん、「ノートブック」を文字通り大学ノート1冊として設定してもいいですし、1冊の本にしても構いません。一般的には、一つの「ノートブック」の分量が多く、細かいセクションやページに分かれると予想される場合には、1冊のノートや本を「ノートブック」にするといいでしょう。最初はテーマやジャンルを「ノートブック」として設定していても、特定のセクションの量が膨大になってきたら、このセクションを別の「ノートブック」として独立させることも容易にできます。そのための「ページ移動」の機能がついていますから、「引っ越し」も簡単にできます。また、「ノートブック」「セクション」「ページ」の並び順はいつでも変更可能ですし、削除も一発で行えます。これらの機能は、日々進化し、変化し、陳腐化する情報に柔軟に対応することを可能にし、OneNoteを使いやすいものにしてくれます。その結果、OneNoteはEvernoteのように、投げ込んだ情報がいつの間にか「ゴミの山」と化すのを防いでくれるのです。


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