からたちの花

音楽

からたち日記 いま蘇る幻の名唱

 島倉千代子の歌唱について

私の好きな女性歌手の一人、島倉千代子さんが75歳で亡くなってから5年たちました。私より10歳年上ですが、若い頃から愛唱歌としていました。なかでも好きなのは、「この世の花」「からたち日記」「東京だよおっかさん」「りんどう峠」など、1950年代の作品です。

まだ10台後半から20台前半でしたが、すでに独特のビブラートのかかった、感情を込めた、透明感のある歌声が完成の域に達していました。同年代の美空ひばりの太い声とは対照的な声質でしたが、この点、私は島倉千代子の方が好きでした。

島倉が残した数多くのディスクの中でも、私が好きなのは、近年のステレオ録音ではなく、初期のモノラル録音レコードです。島倉千代子がもっとも新鮮で輝いていた頃の歌は、たとえモノラルであっても心に滲みてきます。

けれども、当時のレコードを入手することは至難のわざです。Tsutaya、Apple Music、Amazon Prime Musicなどで初期の録音盤を探してみたのですが、シングル発表時のすばらしい歌唱は見つかりませんでした。ただし、数年前「YouTube」で検索したところ、「からたち日記」の最初のシングルと思われる音源がアップされているのを見つけました。それは、まさに50年前に私が聞いて感動した歌そのものでした。たまたま、そのときYouTubeにアップされた曲を保存してあったので、二つとない貴重な音源ということで、学術的な価値もあると思いますので、引用という形で紹介しておきたいと思います。セリフといい、歌声といい、乙女の初恋の切ない気持ちがよく伝わってきます。

(島倉千代子 からたち日記 1958年 130万枚のヒットを記録)

(「YouTube」不明音源からの学術的引用)

(Wikipedia: からたち日記

同じく、私がちょうど大学に入ったばかりの頃に流行った女性歌手に、黛ジュンがいました。彼女の歌も私のお気に入りで、一途な恋心を歌った「恋のハレルヤ」「霧のかなたへ」などは、いまでもCDでよく聞いています。Apple Musicでもアルバムが入手できるのはうれしいところです。いい歌手の歌は、50年経っても色あせることがありません。青春時代の哀しくも切ない初恋の思い出をよみがえらせてくれます。とはいえ、黛ジュンなんて、いまの人はきっと知らないのではと思ってしまいます。お元気なら私と同じ70歳ぐらいだと思うのですが、テレビでもお目にかかることはないようです。でも、やはりこうした歌手は、デビュー当時の歌をCDで聴いているのがいちばんいいのでしょうね。

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