パリ・ガイド フランス

バーチャルGoogleマップでパリ観光を楽しもう!

 

はじめに

昨年以来のコロナ禍で、海外旅行もままらない今日この頃ですが、好きな海外旅行に行けずに困っている方に、とっておきの代替案をご紹介します。それは、ホームページ画面上でGoogleマップを開いて、行きたい観光スポットをワンクリックし、そのスポットの写真や関連動画を鑑賞したり、リンクをたどって詳しい情報を得たり、地図上に示された散策ルートをたどってバーチャルなツアーを楽しんだり、次に行く旅行のプランを立てたりすることです。

ウェブ上でGoogleマップを開いて、「マイマップ」を作成することでも、今述べたようなことをある程度実現することもできますが、手間がたいへんですし、マイマップの機能は限られています。その代わりに、ここではWordPressの「WP Google Maps」という超便利なプラグインを用いて、より高度な機能を装備した、バーチャル観光マップを作成してみたいと思います。テーマは、ここ数年行きたいと思いながら行けなくて残念に思っている憧れの都市「パリ」のバーチャル観光です。このプラグインで作ったバーチャル観光地図は、スマホにも完全対応しているので、海外旅行中に手軽にアクセスできるのでとても便利です。

メモ

Googleマップの「マイマップ」作成方法は、次の記事に詳しく書きました。ご参考までに。Googleマップのスマホアプリで「マイマップ」を開くには、下部メニューの「保存済み」⇒「マイマップ」を選ぶと、パソコンで作った自作のマイマップを開くことができます。

行きたいスポットを網羅したパリ観光地図

なにはともあれ、百聞は一見にしかず、とりあえず完成したGoogleマップをご覧いただきたいと思います。

このマップは、WordPressのプラグイン「WP Google Maps」の機能を最大限活用して、パリの中心部にあるいくつかの観光スポット、寺院・教会、公園・広場、ホテル、レストラン、美術館などを表示させたものです。それぞれのスポットのアイコンをクリックすると、infoWindowと呼ばれる情報ボックスが開き、そのスポットに関する写真、動画、説明テキスト、関連リンクが表示されます。写真をクリックすると、写真のサイズが最大化されて、鮮明な写真を楽しむことができます。動画はアイコンのinfoWindowにはYouTubeの動画を埋め込んであるので、再生ボタンをクリックすると動画を楽しむことができます。「詳しくはこちらへ」のリンクをクリックすると、公式サイトやWikipediaのサイトにジャンプするようになっています。

これに加えて、マップ上部の「Filter by」をクリックして、プルダウンメニューを開くと、「絞り込み検索」をすることができます。例えば、プルダウンメニューで「美術館」を選ぶと、地図上に「ルーブル美術館」と「オルセー美術館」の2つのアイコンだけが表示されるようになります。これによって、美術館を選ぶことが容易になります。スマートフォンの場合には、プルダウンメニューは画面の一番下に表示されます。

また、プルダウンメニューで「ルーヴル美術館」を選ぶと、地図上にはルーヴル美術館の紹介アイコン、ルーヴル美術館に関する動画のアイコン、ルーヴル美術館のフロアプランと作品解説サイトへのリンク、館内のカフェの5つが表示されます。これによって、ルーヴル美術館の位置と関連情報をワンクリックで見つけることができます。初めはアイコンがたくさんあって目的のスポットを見つけるのが大変でも、このプルダウンメニューを使えば、楽に探すことができるので、とても便利です。一つのスポットに複数のアイコン(スポットの紹介アイコン、近隣のカフェやレストラン、最寄り駅など)を登録しておけば、プルダウンメニューでスポット名をクリックするだけで複数の関連スポットのアイコンを表示させることも可能です。各種ショップや施設などが顧客・利用者サービスの一環として活用すれば、いろんな可能性が広がると思います。ちなみに、ルーヴル美術館のプルダウンメニューにミュージアムカフェ Le Café Marly を追加してみました。このカフェは美術館の付属施設ですが、場所がわかりにくいと言われています。そこで、Googleマップ上でズームアップすると、正確な場所を大きく表示できるようにしました。これなら、館内で場所が分からなくても、二本指を使ったスマホのズームアップ操作だけでカフェの場所をすぐに知ることができるので便利です。

マップを利用して「バーチャル観光ツアー」を楽しむ場合に特に役立つのは、YouTube動画の視聴ではないでしょうか。さきほどのプルダウンメニューを開いて、「動画を見る」の項目をクリックすると、地図上には動画を埋め込んだ4つの地点がアイコンで表示されます。アイコンをクリックすることによって、好きな地点の動画を再生することができます。プルダウンで「動画を見る」のサブカテゴリーを選べば、タイトルにある動画を1つだけ地図上に表示させ、クリックで再生することができます。まるで、観光旅行をしているような感覚を味わうことができるかもしれませんね。

参考までに、3年前に「ローマの休日」の舞台であるローマを対象として、WP Google Mapsを使って映画の舞台をマップ上で映画のシーン動画とともに表示させる試みをしたことがあります。ご関心のある方は、次のページでご一読ください。

なお、いったん絞り込み検索をして、アイコンを限定表示したあと、もう一度すべてのアイコンを表示させたいときは、プルダウンメニュー最上部の「ALL」を選択してください。

また、スマートフォンで地図のサイズや位置を調整したい場合には、地図上に二本指を当ててスワイプしてください。

ウォーキングツアーを楽しみましょう

サンジェルマン・デ・プレ地区

ところで、パリの中でも、私がとくに好きな地域はセーヌ川左岸の「サンジェルマン・デ・プレ」とその周辺です。パリを訪れるたびに必ず足を伸ばすか、この地域のホテルに滞在するかしています。ここは知的な雰囲気があふれており、哲学者のサルトルやボーヴォワール、芸術家などがカフェのLes Deux MagotsCafé de Floreなどに集っていました。これらのカフェは、いまでは観光客に大人気で、私もよくこのカフェを利用します。

カフェ Les Deux Magots

もう一つ、サンジェルマン地区で私がいつも訪れるのは、リュクサンブール公園です。天気のよい日に近くのパン屋さんでサンドイッチを買って、この公園で美しい花壇を前に1人用のベンチに座り、ゆっくりとひなたぼっこをしながら、パリっ子や観光客とともに過ごすつかの間の時間は、まさに至福のひとときといってもいいでしょう。

リュクサンブール公園

そこで、コロナ渦でもバーチャルにサンジェルマン・デ・プレ地区の散策を楽しみたいと思い、「パリ観光マップ」の地区限定バージョンを作成してみました。作成するには、まずプラグインのマップ複製 (Duplicate) 機能を使って、パリ全体地図を複製し、サン・ジェルマン・デ・プレ地区の部分を拡大させて、マップを保存します。次に、マップの名前を「サンジェルマン・デ・プレ地区」と変え、パリの全体マップに含まれていたスポットの情報を消して、その代わりにデ・プレ地区のカフェ、ホテル、レストラン、その他の観光スポットの情報(markerとinfoWindow)を付加します。さらに、この地区内で歩き回りたいルートを、Polylineという機能を使って赤い線(色は自由に指定可)でカラーリングします。最後に、Category設定で観光スポットを新規登録してプルダウンメニューを入れ替えます。これらの作業にはかなり手間がかかりますが、思わぬ発見などもあって楽しい作業です。こうして完成したのが、下の「ウォーキングマップ」です。使い方はすでに述べた「パリ観光マップ」と同じです。バーチャルに楽しむだけではなく、実際に現地を訪れたときには、スマートフォンで表示させながら、このルート上を歩きまわるのに大いに役に立ってくれることでしょう。プルダウンメニューで「ウォーキングツアー」の項目をクリックすると、ウォーキングルートの出発点と終点、ルートだけを表示させることができます。

(ST-Germain-des-présからSaint-Sulpiceまでのウォーキングコース)

 

モンマルトル地区

もう一つ作成したいマップは、「モンマルトル散策ルート」です。モンマルトルはパリの北部にある丘陵地帯です。美しいサクレ・クール寺院、画家たちが集まる楽しいテルトル広場、映画『アメリ』の舞台となったカフェ、恋人たちの聖地「ジュテームの壁」など、見どころがいっぱいです。私自身は、これまで数回訪れましたが、まだ見ていないところ、歩いていないところもたくさんあります。ぜひもう一度訪れたいところです。それ以上に、ここは複雑なウォーキングルートを設定して、バーチャルなウォーキングマップを作成するのに最適な地域でもあります。

ウォーキングマップを作るのにいちばん参考になるのは、ミシュランが発行している「グリーンガイド パリ」(英語版)です。この本には、区 (Arrondissement)ごとに、主要スポットの概要、ウォーキング・ツアーが詳細な地図入りで紹介されています。モンマルトルの章では、メトロのAnvers駅を出発点、Blanche駅を終点とするツアーが詳細なルートマップ入りで紹介されています。すべての通り(rue)の名前も地図上で表示されていますから、WP Goole Mapsプラグインで同じルートを作成するのも容易です。下のマップも、このガイドブックをもとに作成したものです。現地を踏破した専門家が作成したルートなので信頼できます。次回訪れるときは、スマートフォンを片手に、このルートをたどってモンマルトルの散策を目一杯楽しみたいと思っています。

続編のご案内

以上のところでは、WP Google Mapsプラグインで実際に作成したバーチャルマップをご紹介しました。このプラグインは実に多くの機能を備えていて、まだまだ使いたい機能がいくつかあります。その一つは、Custom Fieldsです。これを使うと、カテゴリーとは別の基準でプルダウンで絞り込み検索を行うことができるようになります。いま考えているのは、ホテルとレストランの★別にマップ上にスポット表示をさせることです。ミシュランガイド★★★レストランだけをマップ上に表示させることができるので、実用性は高いのではないでしょうか。また、パリのホテルは★でランクを正確に知ることができるので、★の数でマップに表示させるのは、ホテル選択に便利ではないかと思います。

また、今回の記事ではほとんど触れることはできませんでしたが、WP Google Mapsプラグインの導入方法、詳しい使い方についても続編では取り上げたいと思っています。完成までしばらくお待ちください。

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