京都・嵐山の紅葉

OneNote活用術

OneNote&iPad片手に京都紅葉狩りはいかが?

OneNoteで自分好みのガイドブックをつくる

OneNoteはパソコン、タブレット、スマホに共通するMicrosoftのアプリです。どんなデバイス上でも、テキスト、写真、オーディオ、動画などを自由な場所に挿入して「ノートブック」を作成し、再生することができます。1つのノートブックに収録できるコンテンツの量は無制限です。また、テキスト、写真、図表、動画などを表示する場所の制約もなく、画面の左右上下のスペースを自由に設計することができます。

このような特性ゆえに、OneNoteはマルチメディアのコンテンツからなるガイドブックを作るのに適しています。また、OneNoteのコンテンツはWordPressのようにネット上に公開されることはなく、個人だけがアクセスできるオフラインのパソコンやタブレット、スマホに保存されるため、電子雑誌や電子書籍などから記事をコピペしても著作権に触れることはありません。自分でとっておきたい情報をいくらでも自由にOneNoteのノートブックに取り込むことができるのです。

以下では、「2019年秋の京都紅葉の旅ガイドブック」をOneNoteのノートブックという形で作成する方法について紹介したいと思います。

OneNoteガイドブックの作成

OneNoteは「ノートブック」「セクション」「ページ」「サブページ」という4つの層で構成することができます。本のタイトル、章、節、ページにほぼ相当するといっていいかと思います。

ノートブックは、一冊の本に相当しますから、いろんなテーマでノートブックを作る場合には、OneNoteに複数のノートブックができることになります。したがって、「京都紅葉狩りガイドブック」は、「ノートブック」または「セクション」のレベルに作成することになります。私の場合は、多数のOneNoteノートブックを作成しているので、「撮影旅行」という「ノートブック」の中の1つのセクションとして「2019年秋京都紅葉の旅ガイドブック」を制作することにしました。

ページの目次

1つのページは、雑誌でいえば一つの記事、本でいえば一つの節にほぼ相当します。とはいっても、OneNoteの場合、本や雑誌と違って一つのページに収録する文字数、ファイル容量に上限はありません。いくらでも記事量を増やすことができます。ウェブページと同じですね。ただし、OneNoteの場合には、目次をつくることができないので、目次がわりにページを細分化して、あとで目的のページにすぐアクセスできるようにするのがコツです。このガイドブックの場合でいえば、自分が行く予定の紅葉スポットごとにページを作っていきます。

OneNoteでは、ページの下にサブページを置くことができます。これを利用して、例えば、「嵐山・嵯峨野の紅葉スポット」というページの下に、それぞれのエリアの紅葉スポットを「サブページ」として作成していくといいと思います。サブページは、ページよりも少し右にずれて表示されます(下の画像を参照)。また、サブページをページレベルに引き上げることもできます。

とりあえず、以上の構成プランでガイドブックを作成してみました。下の画面は、その中の「嵐山・嵯峨野界隈」というページとサブページの部分を示しています。サブページは順番を簡単に入れ替えることができるのでたいへん便利です。マウスでクリックしたページのコンテンツが右側に表示されます。

「京都紅葉狩り旅ガイドブック」の一部(天龍寺のページ)

手書きによるウォーキングマップの作成

ふつうの市販旅行ガイドブックでは、観光地の散策ルートのモデルを示してくれますが、自分が歩きたいルートと一致するとは限りません。ガイドブックの情報を参考にしながら、自分で地図上にルートを入れ、かつルート上の必見スポットに通し番号をふって、地図の下にテキストと写真入りの説明を入れることができれば、実際に歩くときにたいへん便利です。

OneNoteでは、こうした自分だけのウォーキングマップの作成が容易にできます。というのは、OneNoteには地図を貼り込んで、地図上に手書きの文字を入れる機能があるからです。iPadを使えば、タッチペンを使って、手書きによる地図作成が簡単にできます。下の画像は、嵐山・嵯峨野近辺の手書きウォーキングマップを示したものです。

Googleマップで嵐山周辺地図を読み込み、OneNoteに貼り付けたあと、
描画モードにしてiPadとタッチペンでウォーキングルートを書き込んだもの

出発点と終着点は嵯峨野駅前のレンタサイクル屋です。最初は渡月橋まで行き、ここで昼食をとる予定です。その後は、番号の順に紅葉の美しいお寺を計8カ所まわる予定にしています。

このように、手書きではありますが、自分だけのオリジナルな紅葉散策ルートを作ることが簡単にできます。

次に、①から⑨までのスポットに関する説明をつけておくと便利です。ウェブページ、本や雑誌の記事などからコピペすれば、説明文も簡単にできるでしょう。

地図のスポット①〜⑨の説明を地図の下につけておくと便利

簡単にできる地図の合成

ガイドブックには、地図が欠かせません。できれば、市販のガイドブックの地図を一部コピペして「地図ページ」に貼り付けておくと便利です。OneNoteでは、電子書籍のバラバラに切り離された「見開きページの地図」も、きれいに合成して一つの地図にすることが容易にできます。

ふつう、Kindleなどの電子書籍では、ガイドブックの見開きページの地図は間が1cmほど離れて表示されるために、非常に見にくい形になっている場合が少なくありません。これは電子書籍に固有の欠点といえます。ところが、この離れた両面地図を別々にOneNoteに貼り付け、寸分も狂いのないように一つの地図に「合成」することが、OneNoteではいとも簡単にできるのです。

これを可能にしているのは、OneNoteには、上下左右どこでも、自由に領域を設定して、その部分にテキストを入れたり図表を貼り付けるという柔軟な機能です。これはWordなどのワープロソフトやテキストエディタにはない、すばらしい特徴です。実際に旅行ガイドの電子書籍から京都の地図を貼り込んでみると、下のようになります。

まずは、電子書籍の見開き2ページを、別々にOneNoteに横並びに貼り付けます。ワードではこうした横並びの貼り付けは難しいですが、OneNoteでは貼り付け位置を任意に指定するだけで、正確に貼り付けることが容易にできます。

次に、右側の地図を選択し、マウスで左の地図に合わせるように移動します。このとき、左右の地図の縮尺が異なる場合には、これもマウスの操作で右か左の地図を縮小して、両方の地図の縮尺が一致するように「補正」することが簡単にできます。その結果、地図がずれることもなく、きれいに「合成」することができます(下の地図)。

電子書籍のガイドブックから京都の見開き地図をOneNoteに貼り付け、合成したもの

どうでしょうか。紙のガイドブックよりもきれいに、左右の地図がずれることなく合成されていることがおわかりいただけるかと思います。OneNoteに貼り付けた地図なら、iPadとタッチペンを使って、地図上に好きなだけ書き込みをすることができるので便利です。しかも、書き込みは消しゴムツールでいつでも消すことができるのです。

YouTubeなどの動画をOneNotに挿入する方法

OneNoteには、YouTubeやVimeoなどの動画を好きな場所に挿入する機能が備わっています。ただし、これはWindows版のOneNoteに限定されます。いったん動画を挿入すると、これをMac版やiPadなどのOneNoteでも再生することができるので心配ありません。

ここでは、「京都・嵐山の紅葉動画」を例にとって、OneNoteに挿入してみましょう。PCはふだん使うMacbookではなく、Windows Surface 6を使いました。

OneNoteはデバイスを選ばず無料で利用できる上、OneDriveのクラウドでつねにデータが同期されているので、こうしたパソコンの切り替えがすぐにできるので便利ですね。

まず、OneNoteに作った「嵐山」のページの下に「嵐山の紅葉・動画」という名前の新規ページを作成します。

次に、YouTubeの検索画面を開き、「嵐山 紅葉 2029」というキーワードを入れて動画を検索します。嵐山は世界的に有名な紅葉スポットなので、毎日最新の紅葉動画がアップされています。その中から、これはと思う動画を選び、そのURLをクリップボードにコピーします。
続いて、OneNoteの「嵐山の紅葉・動画」ページを開き、上の「挿入」メニューから「オンラインビデオ」を選択します。すると、ビデオ動画のURL 欄が表示されますから、ここにクリップボードにコピーしておいたURLをペーストします。

その結果、下のように、嵐山の紅葉・動画のクリップが挿入されます。

京都・嵐山の最新紅葉動画をOneNoteに挿入したところ

この動画は、つい4日前にYouTubeに投稿されたものです。このように最新のYouTube動画をOneNoteに取り込んでおけば、紅葉の見ごろがわかり、便利ではないでしょうか。

現地で自分で撮った紅葉のビデオや写真は、あとでOneNoteの該当箇所に新規ページを作って保存しておくことができますから、自作のガイドブックがよりオリジナルなものへと変身することでしょう。思い出写真&ビデオアルバムとしても活用することができます。

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