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4月2日 醍醐寺の桜

2026年4月1日

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京都御苑から醍醐寺まで

醍醐寺は京都の桜名所の中でもとりわけ名高いところで、五重塔を背景とした桜をぜひ撮りたいと思っていたのですが、ロケーションが京都駅の南東はるか遠くに位置しているので、最初は目的地から外そうかとも考えました。でも、こんなにいい機会は二度とないと思い、京都御苑から地下鉄を乗り継いで行くことにしました。Googleマップで調べてみると、京都御苑北西端の今出川で乗車してから、約40分で醍醐寺に着くということがわかりました。

醍醐駅には定刻に着いたのですが、ここから醍醐寺までの行き方がわからず、ちょっと焦って、たまたま駅にいたタクシーを拾ってしまいました。でも、おかげでタクシーの運転手と、醍醐寺の桜について少しばかり談義することができました。運転手さんの話はちょっと意外なことでした。醍醐寺の桜は、近頃台風で倒木したりして、以前ほど立派なものではなくなっているとのこと。京都の他の有名な桜の木も、台風で次々と倒れて、以前ほどではなくなっているのだと。

これは地元のタクシー運転手の言葉としては意外なネガティブな見方で、ちょっと引いてしまいましたが、でも現状は桜の木の老齢化が進んでいるわけで、そのような事態が起きることは十分に考えられること。醍醐寺に着いたときには、期待感がややしぼんでしまいました。

醍醐寺の入り口で、係の人に「有名な太閤のしだれ桜を見たいんだけど」と聞いてみたら、「あいにく、太閤桜は3月20日頃に満開になり、いまはもう見られない」との返事で、さきほどの悲観的な見方をさらに強めてしまいました。まあ、仕方がない。拝観受付では、「伽藍」と「霊宝館」の2ヶ所の拝観を選びました。

醍醐寺とは

醍醐寺(だいごじ)は、京都市伏見区にある真言宗醍醐派の総本山で、1994年にはユネスコ世界文化遺産にも登録された名刹です。「花の醍醐」と呼ばれるほど桜の名所として知られ、豊臣秀吉が晩年に贅を尽くした「醍醐の花見」を行った場所としても有名です。山道を登る「上醍醐」は修行の場としての雰囲気が強いですが、観光のメインとなるのは平地の「下醍醐」です。次の5つはとくに有名な観光名所です。

五重塔(国宝): 天暦5年(951年)完成。京都府下で最古の木造建造物であり、平安時代の姿を今に伝える貴重な塔です。
金堂(国宝): 醍醐寺の本堂。豊臣秀吉の命により、和歌山県の紀州湯浅から移築されたものです。
三宝院(さんぼういん): 歴代座主が居住した門跡寺院。
庭園(特別名勝・特別史跡): 秀吉が「醍醐の花見」のために自ら基本設計をしたと伝わる、桃山時代の華麗な名庭です。
唐門(国宝): 漆塗りに金箔の紋が輝く、桃山様式の豪華な門です。(Gemini)

醍醐寺の総門
醍醐寺の可憐で豪華なしだれ桜

霊宝館の桜

霊宝館入り口手前の石畳の桜並木

まず入ったのは、霊宝館でした。ここの目玉は、三宝院のしだれ桜でしょうか。目を見張るようなしだれ桜の巨木が目を惹きます。また、私の個人的な美意識でいえば、周囲をめぐらせるしっくいの塀ごしに咲き誇る桜がへいの瓦と壁に映えて美しく感じられました。

世界遺産・醍醐寺の霊宝館(れいほうかん)は、1100年を超える歴史の中で守られてきた莫大な数の寺宝を収蔵・展示する施設です。一言で言えば、「日本の仏教美術のタイムカプセル」のような場所です。醍醐寺が所有する文化財は、国宝や重要文化財だけで約7万5千点、未指定のものを含めると約10万点以上にのぼります。これらを適切に保管し、一般に公開するために昭和10年(1935年)に開館しました。
見どころ: 迫力ある「薬師如来坐像(国宝)」や、五大明王像などが安置されています。
ジャンル: 仏像(彫刻)、仏画、工芸品、古文書など。

霊宝館は一年中開館しているわけではなく、主に春と秋の特別展に合わせて一般公開されます。
秋期: 10月中旬〜12月上旬頃(紅葉のシーズン)
春期: 3月下旬〜5月上旬頃(桜のシーズン)(以上、Geminiより)

今回は、桜の撮影がメインの目的で、時間もなかったので、霊宝館の館内には入りませんでした。でも、周囲の庭園をめぐるだけで、醍醐寺の桜を堪能することができて、満足でした。次回来る時は、館内の宝物もぜひ鑑賞したいと思います。

霊宝館前の桜
霊宝館から仁王門をのぞむ
霊宝館の庭から薄茶の塀と瓦屋根ごしに見る桜が見事。

五重塔と桜

醍醐寺の仁王門(におうもん)は、下醍醐の伽藍(がらん)へと続く玄関口にあたる重要な門です。正式名称は「西大門(さいだいもん)」といいます。

1. 豊臣秀頼による再建

現在の仁王門は、慶長10年(1605年)に豊臣秀頼によって再建されたものです。

・父・秀吉が計画し、その遺志を継いだ秀頼が金堂の再建に続いて完成させました。
・桃山時代の建築らしい、力強く堂々とした造りが特徴です。

2. 平安時代の傑作「仁王像(重要文化財)」

門の左右に安置されている金剛力士像(仁王像)は、実は門よりもずっと古い歴史を持っています。
造立: 平安時代後期の長承3年(1134年)
仏師: 勢増(せいぞう)・仁増(にぞう)
特徴: * もともとは別の場所(南大門)に祀られていた像で、門の再建時にこちらへ移されました。

平安時代の仁王像で、製作年がはっきりと判明しているものは全国でも極めて珍しく、美術史的にも非常に価値が高いものです。鎌倉時代の運慶・快慶のような激しい動きとは異なり、平安時代らしい重厚感と力強さを併せ持っています。

醍醐寺と桜

醍醐寺は古くから「花の醍醐」と称されるほど、京都を代表する桜の名所です。単に美しいだけでなく、歴史上の超有名人と深く結びついているのが特徴です。桜と醍醐寺の魅力を3つのポイントで解説します。

1. 豊臣秀吉の「醍醐の花見」

醍醐寺の桜を語る上で欠かせないのが、慶長3年(1598年)に豊臣秀吉が催した「醍醐の花見」です。

秀吉のこだわり: 晩年の秀吉が、この花見のために近隣諸国から約700本もの桜を移植させ、三宝院の庭園や建物を急ピッチで整備しました。
空前のスケール: 息子・秀頼や正室・北政所、淀殿ら1,300人余りが参加した、歴史上最も豪華な宴と言われています。
歴史の継承: 現在もその伝統を受け継ぎ、毎年4月の第2日曜日には、当時の華やかな様子を再現した「豊太閤花見行列」が行われます。

2. 桜の種類の多さと「時差」

醍醐寺には約1,000本の桜があり、種類が豊富なため、見頃が比較的長いのが嬉しいポイントです。

カワヅザクラ: 3月上旬から咲き始めます。
しだれ桜(早咲き): 3月下旬が見頃。三宝院の「太閤しだれ桜」や、霊宝館の「醍醐大しだれ桜」が有名です。
ソメイヨシノ: 4月上旬。仁王門へ続く「桜の馬場」がピンクのトンネルになります。
ヤエザクラ(遅咲き): 4月中旬まで楽しめます。

3. おすすめの絶景スポット

写真映えするポイントが境内の至るところにあります。

スポット見どころ
桜馬場(さくらのばんば)総門から仁王門へ続く参道。空を覆うような桜のトンネルが見事です。
三宝院(さんぼういん)秀吉が設計した庭園と、優美なしだれ桜の共演が楽しめます。
霊宝館の庭樹齢180年を超える**「醍醐大しだれ桜」**は必見。夜間ライトアップの主役になることも多いです。
五重塔周辺京都最古の木造建築(国宝)と桜。これぞ日本、という風景が撮れます。

醍醐寺の五重塔

醍醐寺の五重塔(ごじゅうのとう)は、京都府下で最も古い木造建築物であり、日本を代表する国宝の一つです。

1. 京都最古の木造建

この五重塔は、平安時代の天暦5年(951年)に完成しました。

背景: 醍醐天皇の菩提を弔うため、第一皇子の朱雀天皇が着工し、第二皇子の村上天皇の時代に完成しました。
奇跡の存続: 醍醐寺は応仁の乱などの戦火で何度も焼失していますが、この五重塔だけは唯一焼失を免れ、1000年以上前の姿をそのまま留めています。

2. 平安様式の美学

建築学的にも非常に高く評価されており、そのスタイルは「安定感」と「優美さ」に集約されます。

安定感のあるフォルム: 下の層から上の層へ行くほど、屋根の大きさが急激に小さくなる「逓減率(ていげんりつ)」が高いため、どっしりとした安定感があります。
相輪(そうりん): 塔の頂上にある金属製の飾りは、塔の全高(約38m)の約3分の1を占めるほど長く、空に向かって伸びる力強さを感じさせます。(Gemini)

今回の京都桜紀行で、もっとも感銘を受けたのは、この五重塔と桜のコラボレーションでした。この風景の中にしばしひたっていると、自分が日本人に生まれてきたことの幸せをしみじみ感じるのでした。これぞ、大和し麗しき日本が世界に誇る、最大の文化遺産の一つといっても過言ではないでしょう。このあと訪れた清水寺にも派手な朱色の三重塔がああり、満開の桜が華を添えていましたが、この醍醐寺に屹立する、長い歴史に耐えて深い貫禄を身につけた巨大な五重塔を讃えるように、華麗なるピンクの衣装をつけて舞い乱れる、しだれ桜の可憐な姿にははるかに及ばないと感じます。

醍醐寺の金堂
醍醐寺の八重桜

第4章 「吉野山:下千本の絶景」はこちらから

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