生成AIポータル 「KM法2.0」公式マニュアル

目 次
  1. 序論
    1. KM法2.0の原点 – おしゃべりから始まった夢想
    2. 「KM法2.0」へ – Chrome新機能とGoogle AIエコシステムの活用
    3. 知的生産の伝統と「KM法2.0」がもたらすパラダイムシフト
  2. 第1章:知的創造のパラダイムシフト
    1. 1-1:AI時代の情報整理から「知識創造」へ
    2. 1-2:個人知と組織知・集合知の新たな関係
  3. 第2章:Google エコシステム
    1. 2-1 : エコシステム(生態系)とは?
    2. 2-2 : Googleエコシステム
    3. 2-3 : Gemini AI & NotebookLMのフル活用
    4. 2-4:Googleドライブを中心とした知識管理システムの構築
  4. 第3章:Cromeブラウザにおけるブックマークの整理
    1. 3-1 : ブックマークとは何か?
    2. 3-2 : ブックマークの階層化とアイコン化
    3. 3-3 : ブックマークにおけるフォルダとアイコンの配置
  5. 第4章:Chromeサイドバーの設定
    1. 4-1 : 「Geminiに相談」ボタンで開く
    2. 4-2:Chrome拡張機能 SidelyでChatGPTをサイドバーで開く
    3. 4-3 : Chrome拡張機能でClaudeをサイドバーで開く
    4. 4-4 : Chrome拡張機能でNotebookLMをサイドバーで開く
  6. 第5章:Googleドライブのフォルダ設計
  7. 第6章:生成AIの利用:Gemini編
  8. 第7章:生成AIの利用:ChatGPT編
  9. 第8章:生成AIの利用:Claude編
  10. 第9章:Googleドライブにおける知識ベースの構築
  11. 第10章:デジタル資料の収集とソース化(プロジェクト機能の活用)
    1. PDFファイル
    2. Webページ
    3. データファイル
    4. 音声・画像ファイル
  12. 第11章:GeminiとNotebookLMにおけるインプット革命(ノートブック)
  13. 第12章:進行するアウトプット革命
  14. 第13章:GoogleドライブとAIの連携
  15. 第14章:NotebookLMとGeminiによるアウトプット革命
  16. 第15章:最終アウトプットの生成・執筆
  17. 第16章:プロンプトの効率的管理法
  18. 第17章:研究・教育・サービスでの実践例
  19. 第18章 知的生産から知的創造へ:AIと人間の共生
    1. 18-1 : 生成AI時代における十戒
    2. 18-2 : 生成AI時代のカルチュラル・エコロジー
  20. 第19章:生成AIのリスク・マネジメント
  21. 第20章:KM法3.0への展望:知的創造の未来
  22. 付録

序論

  1950年代の川喜田二郎による「KJ法」、1960年代の梅棹忠夫による「知的生産の技術」、1990年代の野口悠紀雄による「超整理法」という情報整理・発想技術の系譜を受け継ぎ、生成AIを高度な知能を備えた「知的パートナー」として位置づけ、これまでの10倍、100倍の効率でクリエイティブな知的生産を可能にするWeb活用メソッド、それが「KM法1.0 (Knowledge Management Method)」です。

 2024年のKM法1.0 発表から2年、ブラウザの進化とGoogle AIエコシステムの台頭により、知的生産の環境は劇的に向上しました。 本マニュアルは、シェア7割を誇るGoogle Chromeブラウザと最新のGeminiサイドパネル、そしてNotebookLMを中核に据え、情報の収集から整理、執筆までをシームレスに一元化する「2026年最新のKM法2.0 」の実践手順を体系的に解説します。

KM法2.0の原点 – おしゃべりから始まった夢想

 「KM法2.0」の原点となる「KM法1.0」は、ある人と私のおしゃべりから生まれました。その方の「生成AIのポータル、ないしメタ生成AIのようなものがあればいいね」の一言に刺激され、「だれも作っていないのなら、自分で作ってしまおう」と決意したことか開発着手のきっかけです。

カラヤマ

「生成AIのポータル、ないしメタ生成AIができたら
というのは夢想?」

ミカミ

「もう誰かが作っているでしょうね。」

 2024年4月、当時最新であったMicrosoft Edgeブラウザの「Copilotサイドバー」に着目し、「ChatGPT、Copilot、Geminiなどの生成AI(右画面)」と「NotionやOneNoteなどの情報整理ツール(左画面)」を同時に立ち上げて操作する初代「KM法」(1.0) を構築しました。 これにより、プロンプトのシステマティックな管理と、生成AIの回答の効率的な整理・保存、そしてコンテンツ制作へのスムーズな移行が実現しました。

「KM法2.0」へ – Chrome新機能とGoogle AIエコシステムの活用

 初代のKM法の発表からわずか2年、生成AIを取り巻くブラウザ環境は劇的な進化を遂げました。 2026年現在、世界シェアの7割を占めるGoogle Chromeブラウザのアップデートにより、かつてEdgeでしか実現できなかった高度な生成AIポータルの構築が、より完全な形で実現可能となりました。 これが、本マニュアルが提唱する「KM法2.0」です。

 KM法2.0を支えるのは、ブラウザ上部タブやサイドパネルとシームレスに連携する最新の「Geminiサイドパネル」によるAI対話、そして情報を一元的に管理する「NotebookLM」の登場です。 かつて必要とされた外部の万能ノートアプリを極力排除し、Googleドライブ内のデータと生成AIが直接連携する「Google AIエコシステム」へと情報を一元化することで、知的生産の効率はさらに極限まで高められます。さらに、Chrome拡張機能によって、メジャーな生成AIであるChatGPTとClaudeも、Chromeのサイドバー上で実行することが可能になりました。また、同じくChrome拡張機能を用いて、KM1.0でEdgeのサイドバーメニューと同じ形でChromeブラウザにサイドバーメニューを表示させることができるようになりました。ここに、生成AI、Google Workspaceアプリ、主要な情報ソースアプリ、SNSなどのリンクアイコンを垂直に並べれば、Chromeブラウザ上に理想に近い「生成AIポータル」を構築することができます。

知的生産の伝統と「KM法2.0」がもたらすパラダイムシフト

梅棹忠夫が示した「知的生産の三段階モデル」と情報の規格化

 「知的生産」という概念は、文化人類学者である梅棹忠夫氏が1960年代に提唱したものです。 梅棹氏はこれを、「既存の、あるいは新規の、さまざまな情報をもとにして、それに、それぞれの人間の知的情報処理能力を作用させて、そこにあたらしい情報をつくりだす作業」と定義し、ひとつの創造活動であると説きました。

 梅棹氏が考案した革新的な方法論は、知的生産のステップを「情報の収集」「情報の整理」「コンテンツの制作」の3つの段階に明確に区分し、これらを「規格化されたカード」によって一貫してつなぐ点にありました。

  • 情報の収集(発見の手帳): 日常の経験や観察、着想をその場で書き留めるインプットのツールです。
  • 情報の整理・保存(京大型カード / オープン・ファイル): 1枚1項目ルールのカードと、それらをフォルダーに仕分けするシステム。 現代のPCにおける「ファイルとフォルダー」、あるいはWebブラウザの「ブックマーク」の概念を先取りしたものでした。
  • コンテンツの制作(こざね法): 紙切れに事柄を書き出し、机に並べて論理的なつながりごとに重ねて構成を構築する文章作成技術です。

現代のデジタル情報時代においても、この「収集・整理・制作」の3段階プロセスは変わりません。 PC、クラウド、そしてWebブラウザを共通プラットフォームとすることで、これらの段階はさらに高速かつシームレスに統合されます。

第1部:基本理念 ─ AI時代の知的創造パラダイム

第1章:知的創造のパラダイムシフト

1-1:AI時代の情報整理から「知識創造」へ

 生成AIの黎明期、その主な役割は大量のデータから必要な情報を抽出・要約する「情報整理」の効率化でした。人間が指示を出し、AIが既存の知識を整理して返すという、いわば高度な検索の延長線上にある使い方が主流だったと言えます。

しかし現在、生成AIは単なる作業の自動化ツールを超え、人間の思考を刺激し拡張するパートナーへと進化しています。AIが提示する予期せぬアイデアや多角的な視点との対話を通じて、人間はこれまでにない新たな仮説や概念を生み出す「知識創造」の時代へとシフトしつつあります。

このパラダイムシフトの本質は、主従関係の変化にあります。AIに答えを求め、その出力に従うのではなく、AIとの「共創(コラボレーション)」によって人間の創造性を最大化し、未知の価値を共につくり出すことこそが、これからの時代における生成AIの真の活用法です。

1-2:個人知と組織知・集合知の新たな関係

 従来の知的創造は、個人の孤独な営みと膨大な時間の投資を前提としていました。人間が自らテーマを設定したあと、書籍や雑誌、論文、ウェブサイトといった多種多様な情報源から時間をかけて資料を収集(インプット)し、それらを脳内で咀嚼・編集した上で、テキストや図表、動画といった形へアウトプットするプロセスが一般的でした。この手法では、個人の情報処理能力や所有する時間の限界が、そのまま創造される成果物の質や量、スピードの限界を意味していました。

しかし、生成AI時代の到来によって、このプロセスは劇的な変化を遂げています。現代の知的創造は、ウェブ上の生成AIポータル(KM法など)を駆使し、インプットからアウトプットに至る全工程を「AIとの共同作業」として進める形へと進化しました。

資料の収集フェーズでは、AIが瞬時に膨大なデータから核心を突き、多角的な視点を提示します。続く整理・編集フェーズでも、AIとの対話を重ねることで、人間の思い込み(バイアス)を排除した斬新な切り口や構造化が可能になります。最後のアウトプット制作においても、AIが下訳や構成案、ビジュアルのプロトタイプを即座に生成するため、人間はより本質的な「価値判断」や「文脈の構築」に集中できるようになりました。

この変革は、単なる作業の効率化に留まらず、「個人知」と「組織知・集合知」の新たな関係性を築きつつあります。

かつて組織知や集合知は、個人の知識を時間をかけて吸い上げ、データベース化することで初めて形成されるものでした。しかし、生成AIは人類が蓄積してきた膨大な集合知をあらかじめ学習しており、個人はAIを介してその集合知へリアルタイムにアクセスできます。

つまり、個人がAIと協働することは、世界中の集合知と対話することと同義なのです。これにより、個人のひらめき(個人知)が即座に集合知によって洗練され、またその成果が新たな組織知へと超高速で還元されるという、知の循環モデルが確立されます。生成AI時代の知的創造とは、個人の能力を拡張し、人類の知の資産を最大限に活かし合う、新たな「共創」の形と言えるでしょう。

第2章:Google エコシステム

2-1 : エコシステム(生態系)とは?

 エコシステム(ecosystem)というのは、もともと生態学の分野でつくられた専門用語です。「エコロジー(Ecology)」という言葉は、ドイツの生物学者エルンスト・ヘッケル(Ernst Haeckel)によって1866年に発明(提唱)されました
。ギリシャ語で「家」や「生活の場所」を意味する「oikos(オイコス)」と、学問を意味する「logos(ロゴス)」を組み合わせて作られた造語です。本来、エコロジー(生態学)とは、生物と、それを取り巻く物理的・化学的・有機的・無機的な外部環境との相互関係を研究する科学(生物学の一分野)です。19世紀から20世紀にかけて、研究対象を広げて、「ヒューマン・エコロジー」「カルチュラル・エコロジー」などの新しい研究領域が開拓されるようになりました。

 また、「エコシステム(生態系:ecosystem)」という言葉を作ったのは、イギリスの植物生態学者アーサー・タンズリー(Arthur Tansley)です。彼が1935年に発表した論文『The Use and Abuse of Vegetational Concepts and Terms(植生概念と用語の使用と誤用)』の中で、この言葉を初めて提唱しました。彼は、有機体という曖昧な言葉の代わりに、物理学の概念である「システム(体系)」を導入しました 。生物(植物・動物・微生物)の集まりだけを切り取るのではなく、それらが生きている光、空気、水、土壌といった「無機的環境」もすべて含めた全体を一つの物理的システムとして捉えるべきだと定義したのです。このタンズリーの提唱によって、生態学は単に「生き物を観察・分類する学問」から、物質の循環やエネルギーの流れを物理的・化学的に分析する「現代のシステム科学」へと進化する決定的な転換点を迎えることになりました。

 1990年代以降、ビジネスやITの世界でも、「エコシステム」という用語が頻繁に使われるようになりました。ここで、「エコシステム(ビジネス・エコシステム)」とは、複数の企業、サービス、そしてユーザーが結びつき、互いに連携・共生しながら共存共栄していく仕組みを指します。

1. 自然界のエコシステムとビジネス・エコシステムの「共通点」

自然界のエコシステムも、ビジネスのエコシステムも、「個々の要素が独立しているのではなく、全体が密接に繋がり、影響を与え合いながら機能しているシステムである」という本質は全く同じです。

  • 自然界の仕組み: 太陽光のエネルギーを植物(生産者)が取り込み、それを動物(消費者)が食べ、死骸や排泄物を微生物(分解者)が分解して土に還すという、完璧な物質循環とエネルギーの流れが成り立っています。
  • ビジネス界の仕組み: 1社だけで完結させるのではなく、多くの外部プレイヤーやパートナー、ユーザーを巻き込むことで、市場全体を拡大させ、簡単には崩れない強力な価値や利便性を生み出します。

2. Appleを例にした「ビジネス・エコシステム」の具体像

現代において最も成功しているエコシステムの一つがAppleの経済圏です。

  • iPhone(端末)
  • iOS(オペレーティングシステム・インフラ)
  • App Store(プラットフォーム)
  • アプリ開発者(外部のサービス提供者・いわば「生産者」)
  • 一般ユーザー(サービスやハードの「消費者」)

これらは個別に存在しているのではなく、一体となって互いに利益をもたらし合う巨大な経済圏を形成しています。開発者が魅力的なアプリを作ることでユーザーにとってのiPhoneの価値が上がり、ユーザーが増えることでさらに開発者が集まるという、「絶妙な循環(共生関係)」が成立しているのです。

2-2 : Googleエコシステム

 Googleエコシステムとは、Googleが提供する検索、Gmail、Googleドライブ、Googleカレンダー、Googleドキュメント、Google Meet、Android、Geminiなどのサービスが相互に連携し、一つのアカウントでシームレスに利用できる統合環境を指します。データや設定がサービス間で共有されるため、情報管理や共同作業、生産性向上が容易になり、個人・教育・企業で効率的なデジタル活用を実現する仕組みです。近年は、従来の「Googleエコシステム(検索、Gmail、マップなど)」のすべてにAI (Gemini)が組み込まれ、従来の「クラウド+アプリ」のエコシステムから、「AIを中⼼に知識を活⽤するエコシステム」へと⼤きく進化しています。

Googleエコシステムの全体像は、下のインフォグラフィックに示す通りです。

第1層:Google検索

 Googleサービスの原点にあるもので、Google検索により世界中の情報を探索することができます。
 Google検索
 ・Google Scholar
 ・Google News
 ・Google Books
など。

第2層:Google Workspace

 Google Workspaceは、GmailやDrive、Docs、Calendar、Meetなどが統合されたクラウド型生産性ツール群です。1つのアカウントで文書作成、データ管理、Web会議などがシームレスに連携します。さらにGemini AIとの融合により、メール執筆やデータ分析、議事録の自動作成なども可能になり、個人のタスクから企業の業務効率化までを強力に支えるエコシステムの中核です。主なサービスは次のとおりです。

・Gmail:メール
・Googleドライブ:クラウド
・Googleドキュメンツ:文書作成
・Google Sheets:表計算
・Googleスライド:プレゼン資料作成
・Googleカレンダー:カレンダー作成
・Googleミート:オンライン会議
・Googleキープ:メモ帳

第3層:Chrome

 Chromeは単なるブラウザではありません。現在は

・Gemini
・Google Drive
・Workspace
・NotebookLM

を結ぶハブ(あるいはポータル)になっているのです。

第4層:NotebookLM

 Google NotebookLMは、Googleが提供するAI搭載のリサーチ・ノートツールです。PDF、Googleドキュメント、Webページなどを資料として読み込ませると、その内容に基づいて要約、質問応答、比較分析してくれたり、音声解説、スライド作成、動画解説、インフォグラフィックなどを自動で作成してくれます。NotebookLMによる生成結果はソースとして登録した資料のみを根拠とするため、ハルシネーションを防ぐことができ、調査や学習、文書作成を効率化できます。

第5層:Gemini(生成AI)

 Googleエコシステムで中心的な役割を担っており、ほとんどすべての層にGeminiが組み込まれるようになっています。Geminiは、対話型AI、コーディング、」⽂書作成、調査、画像⽣成、動画生成、⾳声会話まで、多様なAIサービスを⾏います。

第6層:Google Cloud

 Google Cloudは、企業向けのエコシステムです。主なサービスVertex AI 、BigQuery、 Cloud Storage、 Cloud SQL 、Cloud Run、 Kubernetes Engineなどです。企業では、Geminiを組み 込んだAIシステムをここで動かします。

 KM法2.0における知的創造の柱は、Gemini & NotebookLM AI / Googleドライブ / Chromeブラウザ / Google Workspaceの4つです。KM法2.0の目的は、ウェブ上に生成AIポータルを設置することにより、「情報の探索・収集(Input)」「情報の蓄積・整理(Stock)」「情報の思考・創造(Output)」の3つのプロセスをシームレスに循環させ、個人の知的生産性と創造力を飛躍的に高めることにあります。

 従来のナレッジマネジメント(KM 1.0)が「組織内での情報共有やデータ保管」に主眼を置いていたのに対し、2.0では「AIを知的パートナーとする、ユーザー主導の効率的な知の創造」へと進化しています。

2-3 : Gemini AI & NotebookLMのフル活用

 生成AIはKM法2.0の知的パートナーです。これまで人間が時間をかけて行っていた

  • 文献の要約
  • 情報の比較・分析
  • アイデア創出
  • 文章作成
  • 仮説の検証

を高速に支援してくれます。 特にNotebookLMは、Googleドライブ内の資料だけを根拠として回答するため、一般的な生成AIよりも信頼性の高い対話型研究支援ツールとして機能します。

Geminiとは

Gemini(ジェミニ)は、Googleが開発した最新のマルチモーダルAIであり、あなたをサポートするAIアシスタントです。Geminiには、2つの大きな特徴(強み)があります。

  1. マルチモーダル
     Geminiの一番の強みは、テキスト(文章)だけでなく、画像、音声、動画、プログラミングコードなど、多様な種類の情報を同時に処理・理解できる点です。
  1. Googleサービスとの強力な連携
    Google生まれのAIなので、私たちが普段使っているサービスとシームレス繋がるのが得意です。Googleエコシステムならではの特徴ですね。

Google Workspace: Gmailのメール作成、Googleドキュメントでの文章作成、Googleドライブのファイル整理などをアシストします。

2-4:Googleドライブを中心とした知識管理システムの構築

Googleドライブは、Googleエコシステムにおける「デジタル情報のインプットとストレージ」の中心として、極めて重要な役割を果たしています。単なるファイルを保存するインプット拠点(クラウドストレージ)にとどまらず、あらゆるアプリや機能をつなぐ強力なハブ、さらにはアウトプット(知的創造)のベースとしても機能しています。

第2部:生成AIポータルの構築

 現代の生成AIは、ウェブ上の無数のウェブサイトを絶えず巡回して、ウェブ上の膨大な情報を日々収集して、ユーザーのリクエストに答えています。また、生成AIアプリを始め、個人やビジネスユーザーが日常的に使う各種アプリの多くはブラウザ上で動くようになっています。

 このことを利用して、ChromeブラウザをGoogleエコシステムと生成AIへの入り口(ポータル)となるように改造する方法を解説します。これは、狭い意味でのKM法2.0ということができます。改造するツールは、ブックマークメニュー、Chromeサイドバー、Chromeサイドパネル、Googleドライブの3つです。

第3章:Cromeブラウザにおけるブックマークの整理

3-1 : ブックマークとは何か?

Google Chromeにおけるブックマーク(Bookmark)とは、お気に入りのウェブサイトのURL(ウェブアドレス)を保存して、いつでも簡単に再訪問できるようにする機能のことです。ブックマークには、次のようなメリットがあります。

ワンクリックでWebサイトにアクセス: よく使うサイトを「ブックマークバー」に表示させておけば、ブラウザを開いてすぐにそのページに飛べます。
フォルダで綺麗に整理: 「仕事」「趣味」「料理のレシピ」のようにフォルダを作って、増えたブックマークをカテゴリごとに分類できます。
スマホや別PCとの同期: GoogleアカウントでChromeにログインしていれば、パソコンで保存したブックマークを、スマホやタブレットのChromeからでもそのまま確認・利用できます。

保存したいウェブページを開いた状態で、アドレスバー(URLが表示されているところ)の右端にある星マーク(☆)をクリックします。星が青(または共通のテーマ色)に変われば登録完了です。

3-2 : ブックマークの階層化とアイコン化

Chromeブラウザ上でブックマークをおく場所は、ブラウザの検索バー(アドレスバー)のすぐ下にある、お気に入りのサイトを横一列に並べて表示できる帯状のエリアで、「ブックマークバー」と呼ばれています。

ブックマークの「階層整理(フォルダの中に、さらにフォルダを作ること)」は、大量のサイトをすっきりまとめるのに最も効果的な方法です。ブックマークを階層的に整理するには、「ブックマークマネージャー」を使うのが最も手軽です。

階層化の方法は、基本的にクラウドなどと同じであり、3階層、4階層(フォルダの中のフォルダの中のフォルダ…)と深くしすぎると、目的のサイトに辿り着くまでに何度もクリックしなければならず、逆に面倒になります。一般的には、3階層以内に留めるのが適切だと言われます。それ以上だと、目的のファイルが探しづらくなるからです。

ブックマークは、日常的によく使うWebサイトへのアクセスを容易にするためのツールであり、それだけのこと。生成AIポータルとして、AIと連携するといった機能はありません。ですから、ブックマークバーでの表示は最小限に抑えるのが賢い方法です。その代わり、横長の広いスペースを活かすために、フォルダではなく、よくアクセスするWebサイトの「サイトアイコン」を並べるのがおすすめです。その方法は次の通りです。

  1. ブックマークバーを表示する
    • もしバーが見当たらない場合は、キーボードの CtrlShiftB (Macは CmdShiftB)を押して表示させてください。
  2. 編集画面を開く
    • アイコンだけにしたいブックマークを右クリック(Macのトラックパッドなら2本指タップ)します。
    • 表示されたメニューの中から 「編集」 をクリックします。
  3. 名前を削除する
    • 「名前」の入力欄に表示されているテキスト(サイト名など)を、バックスペースキーなどですべて消して空欄にします。
    • ※「URL」の欄は絶対に触らないように注意してください。
  4. 保存する
    • 右下の 「保存」 ボタンをクリックします。

アイコンの横に短いタイトルをつけておくと、分かりやすいと思います。(下の画像を参照)いずれかのアイコンをタップすると、目的のWebサイトやウェブサービスを直接呼び出すことができます。ポータルにふさわしい配置と言えるでしょう。

3-3 : ブックマークにおけるフォルダとアイコンの配置

 生成AIの普及した現代においては、ウェブ上の情報検索は、ブラウザでブックマークしておいた特定のページにアクセスするよりも、Googleの検索エンジンで検索したり、生成AIで情報検索するという形で行う方が圧倒的に多くなっています。したがって、ブラウザ上のブックマークに登録するWebページの数は、従来よりも大幅に減少しているはずです。

ブラウザのブックマークバーは、横長の広い領域なので、最もよくアクセスするウェブページのアイコンを並べます。私の場合は、左から、Google Workspaceの管理ページ、メール、Googleドライブの「マイドライブ」ページ、「KM法2.0」Webサイト、GoogleドキュメントのWebページ、GoogleキープのWebページ、生成AIのWebページ(Gemini、NotebookLM、ChatGPT、Claude)のアイコンとタイトル文字を並べています。いずれの場合にも、アイコンをタップすると、ブラウザの全画面に該当するWebページが表示されます。

 ブックマークバーにフォルダを作って、そこに保存しておくべきWEBページというのは、生成AI時代においては、「ソース」「仕事(学校)」「生活」「パーソナル」の4つのフォルダに絞り込んでおくのがベストだと思います。「ソース」というのは、NotebookLMのソースとしてインプットすべき情報源のことです。例えば、オンラインの新聞、雑誌、オンライン動画、SNS、オンラインのデータベース、オンラインの電子書籍サイトなどです。「仕事」とは、勤務先や仕事や学業に関連して、頻繁にアクセスするサイトです。「生活」とは、消費生活、金融取引、不動産、健康・医療、スポーツなど、日常生活に関連するWebサイトのブックマークからなっています。最後に、「パーソナル」は、本人、家族、友人関係のサイトです。

これまで、さまざまなWebサイトをブックマーキングしてきたと思いますが、そのかなりの部分は、後述するNotebookLMのソースに登録しておく方が、生成AIでの活用に繋げられるので、生成AIのインプットサイトに移行した方が効率的です。これまでのブックマークバーによる管理は、今のところ生成AIとの連携機能がないので、利用価値はあまり高いとは言えないのです。

第4章:Chromeサイドバーの設定

4-1 : 「Geminiに相談」ボタンで開く

 最新のChromeブラウザを開くと、ツールバー(画面右上)に「Geminiに相談」ボタンが追加されているのがわかります。これは、2026年5月にリリースされた、ブラウザとAIが完全に一体化した非常に便利な新機能です。

このボタンをクリックすると 、サイドバーが一発で開き、GoogleのAI「Gemini」とのチャット画面が立ち上がります

「Geminiに相談」ボタンをクリックすると、Geminiのサイドバーが表示される


 このGeminiサイドバーの最大の特徴は、「今見ている(左側の)ウェブページの内容を、Geminiがその場で理解してくれる」という点です。通常のGeminiのサイトを開いて、WEBページのURLをコピー&ペーストする、といった面倒な手間が一切なくなりました。

 具体的には以下のような使い方ができます。

  1. ページを一瞬で要約: 長いニュース記事や、英語の論文、難しい専門サイトを開いた状態で「この記事を日本語で3行で要約して」と頼むと、横のサイドバーでサクッとまとめてくれます。
  2. 動画の要約: YouTubeなどの動画ページを開きながら「この動画の重要なポイントを教えて」と質問できます。
  3. 複数タブの比較: 複数の旅行プランや商品のページを開いている状態で、「開いているタブの情報を比較して表にして」といった頼み方も可能です(チャット欄に「@」と入力してタブを指定できます)。

4-2:Chrome拡張機能 SidelyでChatGPTをサイドバーで開く

 KM法1.0では、マイクロソフトのEdgeブラウザで、Copilotのサイドバーを開くことができましたが、GeminiやChatGPTなど他の生成AIをサイドバーで開くには、サイドメニューバーにそれぞれの生成AIのアイコンを登録しておく必要がありました。KM法2.0では、「Chrome拡張機能」を使って、他の生成AIの機能をサイドバーの画面で実行することができます。

 ChatGPTをサイドバーに表示させるには、「Sidely」という拡張機能を使うのが便利です。Sidelyの導入方法と使い方は、次のとおりです。

インストール

  1. Chrome ウェブストアで「Sidely」を検索し、「Chrome に追加」をクリックします。
  2. インストールが完了したら、ブラウザの右上にあるパズルピースのアイコン(拡張機能メニュー)から「Sidely」をピン留めしておくと便利です。

サイドバーを開く

  • ブラウザ右上の拡張機能バーにある Sidelyのアイコン をクリック するか、設定されたショートカットキーを押すと、画面の右側にAIチャットの画面(サイドバー) がスッと現れます。

いつものアカウントでチャット

  • あなたが普段使っているChatGPT(OpenAI)のアカウントでそのまま動作するため、安全かつ高速にメッセージのやり取りが可能です。

Sidelyの本領は、「何かを読みながら・見ながら」 使うところにあります。

  • ウェブサイトの要約・翻訳 海外のニュース記事や、長文のブログを読んでいるときに、サイドバーに「このページの内容を3行で要約して」「この部分を日本語に訳して」と指示するだけで、画面を切り替えずに中身を理解できます。
  • 調べ物をしながらの作業 Google検索で出てきたページを読みつつ、「ここにある〇〇という技術について、もっと噛み砕いて教えて」といった深掘りの質問がその場で可能です。
  • 文章作成のサポート Gmailでメールを返信するときや、SNSの発信を考えるときに、横で「ビジネス向けの丁寧な言い回しに変えて」とAIに壁打ち相手になってもらうことができます。

4-3 : Chrome拡張機能でClaudeをサイドバーで開く

4-4 : Chrome拡張機能でNotebookLMをサイドバーで開く

第5章:Googleドライブのフォルダ設計

第3部:主な生成AIの利用

第6章:生成AIの利用:Gemini編


第7章:生成AIの利用:ChatGPT編


第8章:生成AIの利用:Claude編

第4部:情報収集とデジタルソース化 ── インプット革命

第9章:Googleドライブにおける知識ベースの構築

第10章:デジタル資料の収集とソース化(プロジェクト機能の活用)

PDFファイル

Webページ

データファイル

音声・画像ファイル

第11章:GeminiとNotebookLMにおけるインプット革命(ノートブック)


第5部:KM法2.0によるアウトプット革命

第12章:進行するアウトプット革命

第13章:GoogleドライブとAIの連携

第14章:NotebookLMとGeminiによるアウトプット革命

Geminiのノートブック機能

第15章:最終アウトプットの生成・執筆

第16章:プロンプトの効率的管理法

第17章:研究・教育・サービスでの実践例

第6部:KM法2.0の課題と将来展望

第18章 知的生産から知的創造へ:AIと人間の共生

18-1 : 生成AI時代における十戒

  • 生成AIによる暴走の危険性 (Crisis of Control) : 「制御革命」(Conrol Revolution)の必要性
  • 文明(Civilization)と文化(Culture)の共進化がもたらす調和型社会(Harmony)
  • 本当のシンギュラリティとは?
  • AIエージェントへの過度の依存は人間を不幸にする
  • 知的創造(Creativity)を担うのは人間であり、AIではない
  • 人間の知的創造力の源泉は、理性(思考力)、感性(直感力)、霊性(洞察力)である
  • 文化(Culture)とは、人間だけが創ることのできるアイデンティティ (Identity)である
  • 創造性が育む文化の多様性
  • 知的創造力は、幼児から障がい者、高齢者まで誰もが持つ天賦の才能である
  • AIは人間の知的創造性を高めてくれる最良のパートナーとなる

18-2 : 生成AI時代のカルチュラル・エコロジー

第19章:生成AIのリスク・マネジメント

第20章:KM法3.0への展望:知的創造の未来


付録

  • A:KM法2.0 推奨Chrome拡張機能・ツール一覧
  • B:KM法2.0 推奨プロンプト&テンプレート集
  • C:KM法2.0 基本用語集
  • D:よくある質問と回答(FAQ)
  • E:参考リンク・公式ドキュメント集
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