
川喜田二郎のKJ法(1950年代)、梅棹忠夫の「知的生産の技術」(1960年代)、野口悠紀雄の超整理法(1990年代)は、情報の整理法を中心とする新しい発想の技術として注目を浴びました。生成AIの時代には、単なる情報整理の技術ではなく、高度の知能を備えた生成AIを知的パートナーとして、これまでの10倍、100倍の効率でクリエイティブな知的生産を可能にするWebツールが求められます。それを可能にするのが、今回提案するKM法(Kawaura-Mikami Method)です。
KM法の発想は、LINEトーク上での川浦康至氏(東京経済大学)と三上(東洋大学)のふとした対話から生まれました。
川浦「生成AIのポータル、ないしメタ生成AIができたら
というのは夢想?」
三上「もう誰かが作っているでしょうね。」
たったこれだけのやり取りでしたが、私は「誰かが作っているだろう」との無責任な答えしかできず、気になっていました。色々と考えを巡らすうちに、まだ誰も考えていないのなら、自分で作ってしまったらどうか、と思いつきました。色々と調べるうちに、マイクロソフトが最近リリースしたCopilot版「Edge」ブラウザを使えば、「生成AIポータル」ができそうだと気づきました。Edgeの持つ決定的なメリットは、画面右上のCopilotボタンをクリックすると、右側のサイドバーが開き、ここでプロンプトを入れて、Copilotの回答をサイドバーに表示させることができることです。
一方、メインの画面に「OneNote」や「Notion」などの情報整理ツールを表示させておけば、このツール上に整理し保存しておいたプロンプトをサイドバー上の生成AIにコピペで入力することによって、最適なプロンプトで迅速に生成AIを実行させることができます。また、回答の中から使えるものだけを選んで、メイン画面の情報整理ツールの最適フォルダに保存し、編集することができます。「ブラウザ上で動くアプリ」であれば、Edgeブラウザのおかげで、生成AIを組み込むのとほとんど同じメリットを享受することができるのです。
次に、同じメイン画面にマイクロソフトのオフィス365、Google docs、Wordpressなどの新規ファイルを開いて、生成AIの最適回答内容を取り込めば、これまでよりも遥かに高品質のコンテンツを極めて効率的に制作することができるでしょう。
以上の作業をEdgeブラウザを使って最も効率的に行えるように、Webブラウザを徹底的にカスタマイズして「生成AIのフル活用」に特化させたのが、KM法による「知的生産の技術」です。そこで、今回の発表では、以下の項目について、時間の許す限りの範囲でKM法についてご紹介したいと思っています。1回の話だけでは十分に理解してもらえないかもしれませんので、チュートリアルのHPも合わせて作成、公開したいと思っています。URL(予定)は次のところです。
発表内容:
1. 生成AI時代の知的生産の技術とは
2. Edgeブラウザのカスタマイズ法(生成AIポータルの構築)
3. ポータルに組み込むWebツール:
生成AI(ChatGPT、Copilot、Gemini)、情報整理ツール(OneNote、Notion)、コンテンツ制作ツール (Microsoft 365、Google Docs、Wordpress)
4. 生成AIポータルの利用手順
5. 生成AIポータルの活用事例
5.1 生成AIによるクイズ作成
5.2 イタリア語学習の助っ人
5.3 「私の東京散歩マップ」ブログ作成
6. トリプルチェックでハルシネーション対策
7. 情報セキュリティ対策
8. 著作権をクリアする方法
9. 生成AIと認知バイアスの問題(社会心理学者の役割)


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