2025年7月4日 建長寺唐門 撮影:三上俊治

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天園ハイキングコース

2025年7月2日

散歩の記録

日時:2025年7月4日(金)
天候:晴れ
場所:鎌倉市「天園ハイキングコース」(建長寺〜瑞泉寺)
距離:9.8km
歩数:14,817
カロリー:713カロリー
所要時間:5時間2分
高さの変化:276m

天園ハイキングコース:散歩マップ

 

コース上の見どころ解説とフォトエッセイ

明月院

明月院(めいげついん)は、臨済宗建長寺派の禅寺です。特に「アジサイ寺」として広く知られており、初夏になると境内いっぱいに咲く青いアジサイが多くの人々を魅了します。

明月院は、1256年(建長8年)に北条時頼の菩提を弔うために、息子の北条時宗の命で上杉憲方が創建したと伝えられています。のちに関東管領・上杉憲実によって再興され、「明月院」という名前になりました。

特に人気のあるスポットが、本堂の丸窓「悟りの窓」です。この丸い窓から見える奥庭の景色は、季節ごとに異なる表情を見せ、訪れる人々の心を癒してくれます。また、鎌倉最大級といわれる「やぐら」(岩をくりぬいてつくられた墓所)もあり、鎌倉時代の歴史を感じることができます。(ChatGPTより)

 

エッセイ

明月院のアジサイは、長谷寺と並んで有名ですが、特に「明月院ブルー」といわれる、コバルトブルーの清楚な色彩のアジサイは見事です。2024年6月にも訪れたことがあるのですが、山門に続く長い石段の両側に咲き誇るブルーのアジサイは、とてもフォトジェニックで、多くの来訪者を魅了しています。今回、この石段のアジサイ路を初めてカメラに収めることができました。

 

 

 

建長寺

建長寺は、神奈川県鎌倉市にある臨済宗建長寺派の大本山で、鎌倉五山第一位の寺院です。

エッセイ

建長寺は思ったよりも規模が大きなお寺で、重要文化財に指定されている三門や唐門をはじめ、素敵な建物が多く、見応えがありました。天園ハイキングコースの入り口に行くためには参拝料を払う必要がありますが、それだけの価値はあります。

https://www.kenchoji.com/

歴史

建長寺は、1253年(建長5年)に、鎌倉幕府第五代執権である北条時頼が、中国の宋から招いた蘭渓道隆を開山として創建しました。日本で最初に禅の専門道場として建立された寺院であり、中国式の伽藍配置を取り入れています。

見どころ

建長寺三門

  • 三門(さんもん): 楼門で、入母屋造り。重要文化財に指定されています。
  • 仏殿(ぶつでん): 本尊の地蔵菩薩坐像が安置されています。現在の建物は1647年(正保4年)に再建されたものです。
  • 法堂(はっとう): 仏殿の奥にあり、説法などが行われる場所です。天井には小泉淳作画伯による雲龍図が描かれています。
  • 唐門(からもん): かつての方丈の正門で、装飾が美しいです。重要文化財。
  • 方丈(ほうじょう): 庫裏と接続する建物で、内部には庭園があります。
  • 半僧坊(はんそうぼう): 天狗を祀る鎮守社で、境内を見渡せる高台にあります。ここから見下ろす景色は絶景です。
  • 庭園: 蘭渓道隆が作庭したとされる池泉回遊式庭園があります。
  • 天園ハイキングコースの入り口

    唐門を左折すると、天園ハイキングコースの入り口に出ます。コース案内の標識が要所にありますので、これをみながら歩いていけば迷うことはありません。さすが人気のハイキングコースですね。

    天園ハイキングコース入り口の案内標識

     

     

    半僧坊

    境内の最奥、勝上ケンにある。建長寺の鎮守で、半僧坊大権現をまつる。明治23年(1890)建長寺235世霄貫道師が静岡県の奥山方広寺から勧請した。周辺の復興された天狗像に守られ、その偉容は霊験あらたかでお参りやハイキングの人も多い。
    御祈祷(9:00〜15:00、除外日あり)及び朱印(建長寺拝観時間内)を受付けている。

  • 半僧坊の天狗像

    エッセイ

    建長寺から急な階段坂を登ったところにある半僧坊に到着。ここには「富士見台」という展望台があり、天気が良ければ富士山が眺められる。🗻今日はあいにく見えなかったが、遠く相模湾を見渡すことができました。

富士見台からの展望

  • 半僧坊の富士見台

    • 建長寺から:境内奥の「半僧坊」から登るルートが定番で、所要時間は約1時間。
    • 瑞泉寺から:なだらかな尾根道を経てアクセス可能。
    • 今泉台・横浜市側から:住宅地の端からハイキングコースへ接続。

    百八やぐら

    「百八やぐら(ひゃくはちやぐら)」とは、鎌倉市(神奈川県)に存在する大規模なやぐら(横穴式の納骨窟)群の名称です。「やぐら」は中世の鎌倉を中心に発達した独特の墳墓形式であり、武士や僧侶などの有力者の納骨のために、山肌の崖や岩壁を垂直にくり抜いて造られた人工の洞窟墓です。

    「大平台展望台」(正式には勝上献展望台)

    は、鎌倉市・建長寺の半僧坊からさらに登った、天園ハイキングコース沿いにある絶景スポット。

    基本情報とアクセス

    • 場所:神奈川県鎌倉市山ノ内、建長寺半僧坊からさらに約150段の階段を登った先 。
    • アクセス方法
      • 建長寺から半僧坊(拝観料500円)経由でさらに徒歩5〜10分。
      • 今泉台入口から天園コースを進んでも到達可能 。

    見どころ

    絶景ビュー
    • 由比ガ浜、材木座、藤沢方面の湘南海岸が一望でき、天気が良ければ富士山東京スカイツリー・横浜ランドマークタワーも遠望可能 (kamakura.press)。
    • 写真で見られるように、展望台からは鎌倉の海と街並みが美しく広がります(冒頭画像をご参照ください)。

    大平山

    大平山の頂上付近

    鎌倉の大平山(おおひらやま)は、神奈川県鎌倉市と横浜市栄区の境に位置する標高159.2メートルの山であり、鎌倉アルプス(天園ハイキングコース)の最高峰である。鎌倉市街から近いにもかかわらず、自然豊かな環境と美しい眺望を楽しめるため、ハイキングや散策の人気スポットとなっている。

    主な特徴

    • 標高と地形
      大平山は、比較的低山ではあるが、周囲に高い建物がないため、山頂からは相模湾や江の島、房総半島、三浦半島、さらには富士山まで見渡せることがある。特に晴れた日の展望は見事である。
    • ハイキングコース
      鎌倉の代表的なハイキングコースである「天園ハイキングコース」の途中にあり、建長寺、瑞泉寺、今泉台などからアクセスできる。山頂近くには「天園休憩所」があり、軽食や飲み物をとることができる。
    • 自然環境
      大平山周辺は、照葉樹林や竹林に覆われ、春には桜や新緑、秋には紅葉が楽しめる。野鳥や昆虫も多く、生態観察にも適している。
    • 歴史的背景
      鎌倉時代には、幕府の政庁からも近く、見張りや軍事的な用途でも使われたと考えられている。周辺にはやぐら(中世の墓所)や切通しといった鎌倉独特の地形・遺構も多い。

    貝吹地蔵(かいぶきじぞう)

    神奈川県鎌倉市に位置する天園ハイキングコース沿いに祀られている地蔵尊であり、鎌倉幕府滅亡にまつわる伝説を伝える歴史的・信仰的な存在です。

    エッセイ

    大平山から瑞泉寺を目指して下る途中、「天園休憩所」という場所が地図に載っていたので、飲み物をいただこうと思い、そのお店を探しました。しかし、それらしき場所には、古びた廃屋のような建物と庭があるだけでした。ともかく敷地に入ってみると、テーブルがいくつか並べられているだけで、とても休憩所には見えません。

    ただ、奥のほうでおばさんが片付けをしていたので、「ここは休憩所ではないのですか?」と尋ねてみました。すると、「飲み物ならありますよ」とおっしゃるので、ビールを一杯いただくことにしました。うれしいことに、チーズと昆布巻きをおつまみにふるまってくださいました。

    お話をうかがうと、おじいさんの代からこのあたりの山を二万坪以上所有していて、お茶屋を営んでいらっしゃるとのことでした。ただ、今は暑くてお客さんも少ないため、自分が店の片付けをしながら留守を守っているのだそうです。涼しくなれば、外国からのお客さんもたくさんこのお店の前を通るのだとおっしゃっていました。

    そんなわけで、このおばさんと三十分以上も話し込んでしまいました。でも、東京は暑いのに、この森林に囲まれた土地はまるで軽井沢のように涼しく、優雅な生活がとてもうらやましく感じられました。帰り際には、「今度は十二月の紅葉シーズンに家族を連れてまた来ますよ」と言って別れました。

    まるでジブリの映画の一場面のような、山奥での不思議な出会いでした。もしかすると、あのおばさんはトトロのような森の精だったのかもしれません。

    茶屋を出て、右手の下り坂を歩いていくと、やがて急な下り坂の左側に、ひっそりと「貝吹地蔵」が鎮座しているのに出会いました。この地蔵には、次のような鎌倉末期の伝承があります。

    「1333年、新田義貞の鎌倉攻めによって、鎌倉幕府最後の執権・北条高時が東勝寺で自害しました。その際、高時の首を守るために家臣たちが山中へ持ち去り、隠したと伝えられています。首を納める場所が定まらず困っていたところ、法螺貝(ほらがい)の音が聞こえてきました。その音のする方角へ導かれるように進んでいくと、ある地蔵の前にたどり着き、そこに首を納めたということです。この伝承により、『貝を吹いて道を示した地蔵』=貝吹地蔵と呼ばれるようになったのです」。(ChatGPTの解説)

    このお地蔵様は急な下り坂の途中に、しかも道から少し奥まった場所に安置されていたため、危うく見逃してしまうところでした。しかも、地蔵のある場所まではロープにつかまって大きな岩を登らなければなりません。必死でロープにつかまり、なんとかお地蔵様のところにたどり着くことができました。

    いかにも由緒のある、ありがたいお地蔵様でした。


  • 所在地と環境

    • 場所:鎌倉市二階堂、天園ハイキングコース(瑞泉寺口〜大平山区間)の途中
    • 環境:山道沿いの斜面に小さな祠(ほこら)があり、内部にお地蔵さまが安置されている
    • アクセス:徒歩でのみ到達可能。登山装備までは不要だが、スニーカーなどの歩きやすい靴が推奨される

    地蔵の由来と伝説

    この地蔵には、次のような鎌倉末期の伝承がある。

    • 1333年、新田義貞の鎌倉攻めによって、鎌倉幕府最後の執権・北条高時が東勝寺で自害した。
    • その際、高時の首を守るために家臣たちが山中に持ち去り、隠したと伝えられる。
    • 首を納めるべき場所が定まらず困っていたところ、法螺貝(ほらがい)の音が聞こえた
    • 音の方角に導かれるように進むと、ある地蔵の前にたどり着き、そこに首を納めたという。
    • この伝承により、「貝を吹いて道を示した地蔵」=貝吹地蔵と呼ばれるようになった。

    北条首やぐら(ほうじょう くびやぐら)

    鎌倉市二階堂・天園ハイキングコース付近にある、北条高時およびその一族の首を埋葬したと伝えられる洞窟状の墓所(やぐら)である。鎌倉幕府滅亡にまつわる重要な歴史遺跡の一つであり、現地では「お塔の窪(おとうのくぼ)」とも呼ばれる。

    所在地と概要

    • 場所:神奈川県鎌倉市二階堂、瑞泉寺の裏山、天園ハイキングコース沿いの森の中
    • 形式:「やぐら」とは、中世鎌倉武士の墳墓として普及した、岩壁をくり抜いた横穴式の墓所である
    • 規模:巨大なやぐらが複数並び、中央には宝篋印塔(ほうきょういんとう)や五輪塔が配置されている

    歴史的背景

    • 1333年、新田義貞による鎌倉攻めにより、鎌倉幕府は滅亡した。
    • 最後の執権・北条高時は東勝寺で自害し、彼に従った一族・家臣ら約800人も共に命を絶った(※これを「東勝寺合戦」と呼ぶ)。
    • 自害後、高時の首はその家臣によって持ち出され、この山中に埋葬されたと伝えられる。
    • この首塚こそが「北条首やぐら」であり、以後、高時の霊を弔う場所として地元で信仰された。

    瑞泉寺(ずいせんじ)

    神奈川県鎌倉市二階堂に位置する臨済宗円覚寺派の禅寺であり、鎌倉幕府滅亡後の南北朝時代初期に創建された名刹(めいさつ)である。自然に囲まれた静寂な環境と、夢窓疎石による禅宗文化の影響を今に伝える寺院として知られている。

    基本情報

    • 宗派:臨済宗円覚寺派
    • 山号:錦屏山(きんぺいざん)
    • 本尊:釈迦如来坐像
    • 所在地:神奈川県鎌倉市二階堂710
    • 創建:1327年(嘉暦2年)
    • 開山:夢窓疎石(むそう そせき)

     創建の背景と夢窓疎石

    • 瑞泉寺は、鎌倉時代末期〜南北朝時代初期の高僧・夢窓疎石が、鎌倉幕府滅亡の後にこの地を開山し、足利尊氏の帰依を受けて発展した寺である。
    • 夢窓疎石はまた、京都の天龍寺をはじめとする多くの名刹を手がけた庭園設計の名匠でもあり、枯山水庭園や禅宗様式の導入者としても知られる。

    見どころ

    1. 瑞泉寺庭園(国指定名勝)
    • 境内奥にある夢窓疎石作と伝えられる庭園は、自然の岩肌を巧みに利用した**岩庭(がんてい)**であり、国の名勝に指定されている。
    • 洞窟状の石窟、滝、石橋、水路などが一体化しており、「禅の世界観」を象徴する空間である。
    2. 花の寺としての魅力
    • 瑞泉寺は「鎌倉随一の花の寺」としても知られ、梅・桜・花菖蒲・萩・紅葉と四季を通じて多彩な花が咲き誇る。
    • 特に早春の梅と初夏の花菖蒲は有名で、多くの写真愛好家や参拝客を惹きつけている。

    関連サイトへのリンク

    天園ハイキングコース案内

     

    鎌倉ハイキング・モデルコース

    鎌倉観光完全ガイド

    鎌倉散歩

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