寺社 自然 ハイキング

鎌倉湖畔〜北鎌倉ハイキング

2025年7月14日

散歩の記録

日時:2025年7月17日(木)
天候:晴れ
場所:鎌倉湖畔〜北鎌倉
距離:6.64km
歩数: 9,323歩
カロリー:419kcal
所要時間:2時間31分

行程:
7:10 池袋発 湘南新宿ライン
8:07 大船駅着
8:24 大船駅発 バス
8:40 白山神社前着
8:40ハイキング開始
9:00 鎌倉湖着
9:35 鎌倉湖発
10:00 明月院着
10:20 東慶寺着 喫茶吉野
11:00 東慶寺 お墓参り
11:05 北鎌倉着 ハイキング終了
11:30 大船駅着
11:00 - 13:00 駅前カフェ
14:30 池袋着

散歩マップ

 

フォトエッセイ

大船駅

鎌倉でハイキングするのに、大船駅で降りるのは初めてです。鎌倉駅に比べると、桁違いに大きな都市という感じです。古都・鎌倉の中心部(鶴岡八幡宮周辺)からは北へ約5km離れていますが、交通の便が非常に良く、観光や生活の拠点として知られています。5つの鉄道路線が乗り入れるターミナル駅で、神奈川県南部を代表する交通結節点です。横浜・東京方面、藤沢・小田原方面、さらには江の島・湘南モノレールで鎌倉山や江の島にもアクセスでき、通勤・通学・観光客で常に賑わっています。

駅前には大きなバスターミナルがあり、多くの路線があるので、周辺地域へのアクセスも良好です。今回のハイキングも、バスターミナルからN5のバスに乗って約15分の「白山神社前」から出発します。

大船駅バスターミナル

鎌倉湖までのウォーキング

鎌倉湖に一番近いバス停は「今泉不動」ですが、今回は白山神社を見たかったので、一つ手前の「白山神社」で降りました。でも、アジサイのシーズンが終わっていたので、訪れる意味はあまりなかったようです。入り口を見ただけで、神社には行きませんでした。

白山神社の入り口

今泉不動の角を右に折れ、しばらく歩くと、「散在ヶ池森林公園」の入り口に着きます。ここの門を入って、緩やかな坂道を下っていきます。

「せせらぎの小径」という標識があります。確かに右下の谷には小川が流れているようです。この辺りは、杉などの大樹が生い茂っていて、風も爽やかです。

 

やがて、道端に「散在ヶ池森林公園」の案内板が見えました。鎌倉湖まではもう直ぐです。

 

 

 

鎌倉湖

ようやく鎌倉湖(正式名称は散在ヶ池)につきました。静かな佇まいの緑豊かな湖です。とてもいい雰囲気。

 

 

訪れる人もほとんどなく、静かなひとときを過ごせる場所という感じです。

 

とてもフォトジェニックですね。

 

自撮りした私の表情も、心なしかホッとした感じ。

のんびり小径

さて、ここから湖を周遊する散歩道は二つに分かれています。一つは、いきなり急階段から始まる「馬の背の小径」。もう一つは比較的平坦に見える「のんびり小径」です。私は、見かけとネーミングに惹かれて、「のんびり小径」を辿ることにしました。

 

歩き始めは、「のんびり」というだけに、ゆったりした歩きやすい道だったのですが、しばらく行くと、本格的な山登りの道となり、ちょっと騙されたという感じがします。これなら、本格的な登山靴とスティックを持ってくればよかった、と少し後悔。

 

必死で歩くこと約30分。ようやく、南の出口に降り立つことができました。ここからは、北鎌倉まで、住宅街を普通の舗装道路で歩いていくことができます。

 

明月院

長い坂道を延々と降ったところが、お馴染みの明月院でした。先日、アジサイ見物で中まで入ったばかりなので、今回は入り口の写真を撮っただけでスキップすることに。その代わりに、明月院通りの古びた民家やせせらぎなどの写真を撮りました。この辺りは、ゆっくりと散歩するだけで楽しいところです。

 

 

 

 

東慶寺

明月院通りの突き当たりを右に曲がり、線路を渡ると、やがて東慶寺に着きます。入り口の門柱には、左に「東慶寺」、右に「松ヶ岡」と記してあります。どうやら、鈴木大拙が晩年を過ごした「松ヶ丘文庫」は、この境内にあるようです。

 

門を潜ってしばらくいくと、左手に「喫茶吉野」という洒落たカフェがありました。疲れをとり、東慶寺のお墓のことを教えてもらおうと思い、このカフェで一服することにしました。

お店の方に「東慶寺の境内には入れるんですか?」「お墓を見ることはできるんですか?」と聞いてみたところ、いずれもOKだとのこと。しばらくすると、お店のご主人がやってきて、「よかったらどうぞ」と言って、お墓の配置図のコピーをくださいました。これは本当にありがたいご好意で、心から感謝しました。実際、この地図がなかったら、広い墓地のどこに、お目当ての鈴木大拙など有名人のお墓があるのか分からないところでした。

 

いかにも古そうな藁葺きの門をくぐると、東慶寺の境内に入ります。訪れる人は少なく、ほとんどが外国人でした。おそらく、私と同じく、ZENの世界的マスターである鈴木大拙のお墓を見にきたんじゃないかと思います。

 

先ほどいただいたお墓の地図を頼りに、境内の奥へと歩いていくと、緩やかな坂の上に、古木に囲まれて、苔むした墓所がありました。

お目当ての鈴木大拙と西田幾太郎のお墓は、一番上まで登った左手ありました。一番手前の特等席とも言える墓所は、岩波茂雄の墓でした。その左隣りには、飾り気のない西田幾太郎の墓。お花もなく、ちょっと寂しげ。

鈴木大拙の墓は、その先を左に曲がったところ。あまり目につきにくい場所にありました。しかし、他の墓と違って、唯一、大きな花が生けられていました。さすが大拙だと思いました。墓前で深々と一礼して、この偉大な導師との出会いに感謝の気持ちを伝えました。

いただいたお墓の地図をここで公開することはできませんが、その代わりに、森清さんの著書『大拙と幾太郎」の序章「ある墓所の物語」に、そのことに触れた文章があったので、ちょっと引用しておきたいと思います。

「左斜め前の、ゆるやかな石段を辿って進む。そのとっつきの左側に、倫理学者で日本文化再発見に力のあった和辻哲郎の墓がある。四角い和型の、落ちついた墓石が、和辻の学風を表現しているようだ。そこを数段上ると、左側角に岩波家の墓がある。岩波書店の岩波家であり、創業者岩波茂雄などが葬られている。そのすぐ左隣りの地には、「寸心」とだけ刻まれた小さい五輪塔の墓石がある。哲学者西田幾多郎の墓である。寸心というのは、西田の号だ。そのまた隣りに岩波茂雄の友人であり、岩波のよき伝記作者ともなった元学習院院長安倍能成の墓がある。そして実業家野村洋三、学者の野上豊一郎・作家野上弥生子夫妻の墓と続く。そこをさらに鍵の手に左へ曲がると、先の自安居士安宅弥吉夫妻の墓、そして鈴木大拙夫妻の基となる。このふたつは墓石から墓碑、墓地のレイアウトまでほぼ相似である。その先、ひとまたぎの路地ひとつこえて出光興産の創業者出光佐三の墓と続き、そこで行き止まる。これらの墓は、偶然に集まったのではない。そのひとたちの生前の交際を物語っている。岩波を中心にして西田幾多郎、安倍能成、野上夫妻、鈴木大拙が一群である。その西田と鈴木の共通の友人として安宅弥吉があり、鈴木と安宅、野村洋三、鈴木と出光佐三とがそれぞれ深い仲であった。さらに、これらの墓を横から見下ろす位置に釈宗演の墓があり、その釈宗演と鈴木大拙、野村洋三が深い関係にあり、淡い交わりながら安宅弥吉も宗演に連なっていた。また、西田幾多郎も釈宗演とかかわりがあった。つまりここには、釈宗演、鈴木大拙を仲立ちにしたひとかたまりの菩薩園があるといえる。」(森清著『大拙と幾太郎』より)

これを読んで、なるほどやはりそうだったか、と納得がいきました。境内にあるという、鈴木大拙が晩年過ごした「松ヶ丘文庫」は門を閉ざしていて入れませんでしたが、来年はあらかじめ予約をして、座禅を含む松ヶ丘文庫の公開イベントにぜひ参加したいと思っています。

帰路は、大船駅で途中下車して、駅前の「コメダ珈琲店」で食事をとりながら、写真の整理とフェイスブックの執筆、大拙本の読書などをして過ごしました。今日も、いい鎌倉散歩ができました。

最後になりましたが、今回の鎌倉湖ハイキングは、フェイスブックの「鎌倉大好きグループ」メンバーの方からのお誘いで実現しました。記して感謝申し上げます。

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